2019 Fiscal Year Research-status Report
Case study of Chinese governments' opening-up policies in higher education
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18K11776
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
黒田 千晴 神戸大学, 国際教育総合センター, 准教授 (30432511)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中国 / 高等教育 / 対外開放 / 国際化 / 事例研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、中国の高等教育における対外開放政策に関して、中国の文化・言語・教育など「知の対外発信」に関連する事項に焦点を当て、経済・文化・外交政策との関連を踏まえて検証し、実際の「国際高等教育」の場でどのように解釈され実践されているのか、中国及び関係国の高等教育機関を対象とした探索的事例研究を通して、その実態を明らかにすることを目的としている。更に一連の調査研究を通して、国際高等教育の領域における中国のプレゼンスの高まりが、関係国や地域の高等教育にどのようなインパクトを与えつつあるのか解明することを試みる。 2019年度は、2018年度中に実施した研究調査の成果発表、中国での文献資料の収集と検証、並びに聞き取り調査を行った。具体的には、米国ミネソタ大学の海外研究協力者とともに2019年3月に実施したタイ・ラオスでの現地調査を通して得られた研究成果を、2019年6月に米国コーネル大学にて開催された6th International Conference on Lao Studiesで発表した。2019年9月には中国北京の国家図書館にて、当該研究課題に関連する中国政府の政策文書、統計資料並びに学術図書・論文等を収集した。これらの文献の検証を進めたうえで、中国北京師範大学の海外研究協力者の支援を得て、当該研究テーマに関する聞き取り調査を行い、習近平政権下における対外政策が、中国と周辺国の国際教育交流や留学政策にどのように反映され実践されているのかという点について、最新の知見を得ることが出来た。更に研究調査で得られた知見を含めて、2019年10月に中国北京で開催された日中高等教育フォーラムにて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度中の研究活動として、2020年2月に開催予定であった香港比較教育学会への参加を予定していたが、香港において発生したデモの影響で開催が延期されたため、参加がかなわなかった。また、2020年3月には、中国での資料収集と聞き取り調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により調査を中止した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年4月現在、新型コロナウイルス感染症の影響で、当該研究課題の調査対象国である中国並びに関係国への渡航が可能かどうか見通せない状況にある。そのため、まず2020年度前半は、収集可能な文献資料調査を継続して実施する。具体的には、中国中央政府・地方政府の政策文書・関連学術論文・中国・海外提携大学の関係資料・教育・外交関係の新聞記事などメディア文書の分析を進める。それと同時に、中国と関係国の教育機関との国際連携教育機関など、実際の高等教育或いは国際高等教育の場において、政策がどのように解釈されどのような文脈でいかに実践されているのか実態を調査するため、適切な調査事例を抽出し、連絡調整を行う。調査実施の段階において、渡航が可能な状態となっていれば、現地を訪問して聞き取り調査を行うが、渡航不可の場合は、オンライン会議システムを用いた聞き取り調査を行う。同時にある程度まとまった研究成果が得られた時点で、関連学会やジャーナルで研究成果を発表し、フィードバックを得る。研究最終年度の4年目の後半には、研究成果の総括を行い、学会での研究発表や学術雑誌への論文の投稿などを通して研究成果を発信する予定である。
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Causes of Carryover |
2020年2月に開催予定であった香港比較教育学会の年次大会で研究成果の一部を発表する予定にしていたが、香港におけるデモの影響で、開催時期が2020年夏以降に延期となったこと、また新型コロナウイルス感染症の影響で2020年3月に予定していた中国での現地調査を中止したため、次年度使用額が生じた。繰り越した使用額は、延期された学会の年次大会への参加、また今年度実施予定の中国での現地調査の費用に充当する予定である。
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Research Products
(6 results)