2022 Fiscal Year Research-status Report
Case study of Chinese governments' opening-up policies in higher education
Project/Area Number |
18K11776
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
黒田 千晴 神戸大学, グローバル教育センター, 准教授 (30432511)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 中国 / 高等教育 / 対外教育政策 / 国際化 / 事例研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、中国の高等教育における対外開放政策に関して、中国の文化・言語・教育など「知の対外発信」に関連する事項に焦点を当て、経済・文化・外交政策との関連を踏まえて検証し、実際の「国際高等教育」の場でどのように解釈され実践されているのか、中国及び関係国の高等教育機関を対象とした探索的事例研究を通して、その実態を明らかにすることを目的としている。更に一連の調査研究を通して、国際高等教育の領域における中国のプレゼンスの高まりが、関係国や地域の高等教育にどのようなインパクトを与えつつあるのか解明することが本研究の目的である。2022年度は、中国の大学での聞き取り調査、及び中国国家図書館での文献収集を予定していたが、コロナ禍による中国政府の入国制限が長引いたため、研究に遅れが生じている。中国での現地調査が困難であったため、代替措置として中国政府が公表している文書や統計、さらに中国の大学の研究者が投稿している文献資料(学術論文、図書)を積極的に収集し、これらの文書の検証を中心に研究を進めた。また海外の研究協力者とメールやインターネット電話等を通して、コミュニケーションを取り可能な範囲で聞き取り調査を実施した。2023年2月には、海外研究協力者とともに、タイの大学において、2019年3月に実施した中国との教育連携に関する調査のフォローアップ調査を実施した。また、新たにコロナ禍を経て中国とタイの主要大学の間での教育交流にどのような変容がみられるのか、さらに近年の米中の政治的な緊張関係が、中国とASEAN諸国との教育交流・研究協力にどのような影響を与えているのかについても聞き取り調査を行った。なお、2022年6月に実施された日本比較教育学会において、文献資料の検証を通して明らかにした内容を研究発表したほか、現在、学術誌への投稿を目指して原稿執筆を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中国政府のゼロコロナ政策が2023年1月まで継続され、中国への渡航が困難であったため、研究に遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
当該研究課題の実施期間中に、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行、米中間の政治的な緊張関係の高まり、さらに中国における国家安全法の改訂など、様々な外的環境の変化がみられたため、2023年度はこれらの要因が中国の高等教育における対外開放政策や、中国と諸外国との教育・研究交流にどのような変容をもたらしているのかという点を中心に検証を進めていく予定である。当研究課題は、コロナ禍により、研究実施期間を再延長したが、2023年度が最終年度となるため、上記の点に焦点を当てて文献調査及び現地調査を実施していく。さらに、これまで収集してきたデータを取りまとめ、国内外の学会で研究発表を行うとともに、研究成果を学会誌に投稿するよう準備を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症により、当初予定していた海外での聞き取り調査、文献資料収集のための調査が実施できなかったため次年度使用額が生じた。 次年度前半は、中国の学術文献や図書、統計資料、政府文書のデータベースを用いた文献調査を実施する予定であるため、データベース使用にかかる費用に予算を充当する。また、2023年8月及び2024年3月には、海外研究協力者とともに海外調査を計画しているため、そのための費用に充当する予定である。
|
Research Products
(2 results)