2018 Fiscal Year Research-status Report
インドにおける改宗を経た仏教徒と亡命チベット人仏教徒との邂逅
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18K11780
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
榎木 美樹 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (60782927)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 改宗を経たインド人仏教徒 / 亡命チベット人 |
Outline of Annual Research Achievements |
改宗を経たインド人仏教徒の動きを把握するため、マハーラーシュトラ州に照準を定め、ムンバイのアンベードカル関連施設やナーグプル市のインド人活動家に聞き取り調査を行いながら、仏教徒運動の活動状況を調査した。ナーグプルが属するヴィダルバ地域(Vidarbh region)を中心に運動を推進する活動家に同行して、その人物が関係を有する亡命チベット人の定住地(マハーラーシュトラ州ゴンディア県プラタプガドのNawegaon National ParkとMalewada Forest Rangeの間に立地)も訪問し、インド仏教徒と亡命チベットコミュニティとの接点の洗い出しを行った。 亡命チベットコミュニティと近隣集落との関係は、仏教徒同士あるいはマイノリティ集団同士の結びつきというよりは、宗教や階層のいかんに関わらず、農地を貸し借りする関係性の中で醸成されたもののように見受けられる。この点に関しては、土地の貸借関係や小作料の支払いに関する個別の状況を見ないことには正確な状況を把握できない。今年度の調査では、インド人仏教徒と関係性を有する亡命チベット人コミュニティを特定し、その結びつきは主として土地の貸借を通したものである点が判明した。現時点では、亡命チベット人側からの情報を概要的に収集できたのみなので、今後は周辺のインド人コミュニティを訪問し、土地の貸借状況や小作料の支払い方、異質なコミュニティとの関係性などを明らかにする必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査日程を確保することが難しかったことから、亡命チベットコミュニティへの調査はおおむね順調に進んでいるが、改宗を経たインド人仏教徒の動きの把握に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは亡命チベットコミュニティへの調査を地道に行い、改宗を経たインド人仏教徒の動きの把握に関しても、インド人活動家の協力を得ながら行っていく。
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Causes of Carryover |
亡命チベット人コミュニティへの調査は比較的順調に進んだが、インド人仏教徒への現地調査は調査日程を十分に確保できなかった。また、調査地が都市部ではなく僻地であったことから、都市部の書店で予定していた現地書籍を購入できなかったため。
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