2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K11783
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
祁 建民 長崎県立大学, 国際社会学部, 教授 (70448819)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 水質環境 / 農村社会 / 生態環境保護督察 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実績は、まず日本国内における中国天津市・山西省・河北省・山東省の水利関係資料を収集し、整理した。国会図書館・国会図書館関西館・東京大學東洋文化研究所図書室・京都大学人文科学研究所図書室にて資料収集を行った。また、海外渡航できないので、今までの現地(山西省・山東省・河北省・天津市)調査資料を整理した上に、研究論文をまとめ、研究報告書『中国の農民は何を語ったか―華北農村訪問聞き取り調査報告書(2007-2019)』を出版した。この研究報告書は中国華北地域における水利環境、水利秩序の伝統と変遷、水質環境汚染と環境紛争をめぐる農村部の政治社会関係を明らかにした。また、研究論文を発表し、中国における「官場(官界)+市場」という政治経済体制の下の「昇進競争」モデルが原因であり、これを変えなければ、環境問題を完全に解決することはできないということと確認した。今年度の研究業績は次の3点がある。(1)『中国の農民は何を語ったか―華北農村訪問聞き取り調査報告書(2007年-2019年)―』汲古書院、2022年3月、共著。(2)「従四社五村看中国社会秩序的重建」『東亜漢学研究』第11号、2021年9月、査読付き。(3)『「昇進競争」と生態環境保護督察組の限界―中国における環境問題のキーポイントについて―』『東アジア評論』第14号、2022年3月、査読なし。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している理由については、次の通りです。 (1)日本国内の水利環境問題に関する資料を収集し、そして研究地域を拡大した。 (2)今までの中国農村水利環境問題の調査資料の一部を整理し、研究報告書を出版した。 (3)今までの中国農村水利環境問題の調査資料の一部を整理し、研究報告書をまとめた。 (4)現地調査の資料などに基づいて、中国農村社会の構造を分析し、研究論文をまとめて、発表した。 (5)現代中国の政治経済構造から、中国における環境問題の深層を究明し、研究論文をまとめて、発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)続いて日本国内に所蔵する中国環境、水利社会問題に関する資料を収集する。 (2)今までの中国農村水利環境問題の調査資料の一部を整理し、研究報告書をまとめ、出版する。 (3)もし海外旅行が実現できれば、中国の現地へ調査を行う。 (4)今までの調査資料を利用して、中国における水利環境をめぐる国家と社会との関係を研究し、論文を発表する。 (5)最終研究報告書をまとめ、水利環境と農村社会及び中国の政治経済構造との関係を明らかにする。
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Causes of Carryover |
コロナ禍なので、海外出張できなく、次年度使用額が生じた。今年は日本国内出張、図書資料を購入し、資料のコピー代金として使用する。
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