2022 Fiscal Year Annual Research Report
The impact of cross-sector collaboration in disaster and humanitarian crises on the expansion of the public sphere.
Project/Area Number |
18K11798
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
桑名 恵 近畿大学, 国際学部, 准教授 (80596073)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 難民主導組織 / レジリエンス / ウガンダ / 人道支援 / 現地化 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、「レジリエンス」概念に基づく難民支援、平和構築支援に焦点を当て調査、研究を行った。 近年の国際社会の難民支援戦略は、「ケアと管理」に基づく人道支援から、「自立とレジリエンス型」の難民支援へと移行している。先行研究では、「レジリエンス人道主義」が、難民を一時的な場所で暮らす援助の受け手という認識から、長期的な居住者として新しいコミュニティを形成しながら、将来に対して責任を持ちながら自立した起業家としての主体に再定義する新自由主義的な傾向を促していることが指摘されている。一方で、主体としての難民の自助を強調することで、個人にリスクを過剰に負わせることや、保護と庇護に関する国際社会の責任の所在が不明確になることも懸念されている。 本年度の研究では、前年度から着目してきた人道支援の「現地化」の潮流の中で、着目が高まってきた難民主導組織(Refugee-led Organization)の動向を捉え、難民主導組織が「レジリエンス」の促進にどのような貢献ができるのか、「レジリエンス人道主義」が持つ課題をどのように軽減する可能性を持っているのかについての考察を進めた。具体的には、長年難民を受け入れ、国際政策の変容とともにその対応を行なってきたウガンダへの現地調査を行い、関連する文献及び現地でのインタビュー調査を基に論文にまとめた。
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Research Products
(6 results)