2020 Fiscal Year Research-status Report
Empirical analysis of the impacts of Chinese yuan deals on the foreign exchange market in Myanmar
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18K11799
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| Research Institution | Kwansei Gakuin University |
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Principal Investigator |
国宗 浩三 関西学院大学, 国際学部, 教授 (50450490)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 公二 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 研究企画部, 海外研究員 (00450528)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | ミャンマー / 中国元の国際化 / 裁定取引 / インフォーマル送金 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
「中国元の国際化」により、ミャンマーでは、米ドルを介さずに中国元とミャンマーチャットを取引する非公式な相場が米ドル相場と並立している。本研究では、この為替相場の並立が、ミャンマーチャットの対ドル為替レートに及ぼす影響の分析を目的とする。
本研究は、ミャンマーにおける中国元相場とドル相場のあいだのショックの波及を日次為替レートデータで検証する定量的な計量分析と、ミャンマーおよび中国の外国為替規制のもとで二つの相場のあいだの裁定をどのような企業が担っているのかを明らかにする定性的な分析で構成される。
二つの相場のあいだのショックの波及については、過去10年分の日次為替レートデータの検証から、近年、ショックがもっぱら中国元相場からドル相場へ波及していることが確認された。この分析では、ミャンマーの為替相場の売値と買値のスプレッドが、ショックに応じて変化する特性を利用した。すなわち、為替相場でショックが発生するとスプレッドが拡大するため、二つの相場のスプレッドの変化がどのような順序で起きているのかを時系列分析で確認した。分析からは、2010年代後半では中国元相場でのスプレッドの拡大がドル相場に波及する傾向が示された。
しかし、こうした定量的分析の結果が、単にみせかけの相関なのか、それとも相場間の裁定行動の結果なのかを見極めるには、為替市場についての定性的分析による検証が待たれる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ミャンマーにおける中国元相場についての定量的分析と定性的分析で構成される本研究で、定量的分析についてはほぼ完了しているが、定性的分析については2020年度のあいだも捗っていない。
定性的分析は、ミャンマーの両替商や企業が、中国元相場とドル相場のあいだで、どのように裁定行動をとっているかを解明するものである。本研究には、二つの相場にかかわる両替商や送金業者へのインタビューをとおして、実務の実態を把握することが欠かせない。そのため本研究では、アクセスが容易でない両替商や送金業者にインタビューを行うために、現地調査会社への委託調査を予定している。しかし、2020年度中は新型コロナウイルス感染症拡大の影響でミャンマーに渡航できなかったため、委託調査の準備が滞っている。
定量的分析については、2018年8月のミャンマー現地調査で入手した非公式為替相場のデータをもとに、中国元相場とドル相場のあいだのショックの波及についての計量分析の草稿が完成している。当初は、為替相場の連動性を見るのに、合成された為替レート（ミャンマーチャット／中国元レート ｘ 中国元／ドルレート）とドル相場（ミャンマーチャット／ドルレート）の差の動きを分析していたが、為替レートデータのノイズが多いことが分かった。そこで、各相場のスプレッドの変化を検証することで、相場間の連動性を確認し、裁定関係があることを間接的に示した。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究は、ミャンマーにおける中国元為替相場の定量的分析と定性的分析で構成される。ミャンマーにおける中国元相場とドル相場の連動性を検証した計量分析については、研究の2年次までに集計したデータを利用した草稿の改訂を重ね、今年度中に学術誌への投稿を目指す。
一方、ミャンマーにおける中国元相場の定性的分析は、研究期間を1年間延長して2022年度以降に取り組むことを検討している。2021年度中もミャンマーでの調査が困難なことが予想されるため、本研究を1年間延長して2022年度に委託調査を実施し、定性的分析に必要な情報を収集したのち、論文を完成させる。
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| Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大のため、2020年度中に予定していたミャンマーへの出張および委託調査が実施できず、直接経費の支出はなかった。2021年度も、コロナ禍のもとでミャンマーへの渡航が難しいため、支出は論文の英文校正（5万円程度）と論文執筆にかかる資料や事務用品等の購入に10万円程度のみを想定している。そして研究期間を1年間延長し、繰り越した予算でミャンマーへの出張（60万円）と委託調査（80万円）を2022年度に実施したい。
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Research Products
(1 results)
