2018 Fiscal Year Research-status Report
Sociological study of periodic market networks in Cameroon
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18K11806
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
坂井 真紀子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (70624112)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 定期市 / 野菜生産 / カメルーン / バイクタクシー |
Outline of Annual Research Achievements |
課題研究2年目の2019年に特別研修を取得したため、初年度である2018年は当初予定していたカメルーン西部州の現地調査を行わず、予算を特別研修中の調査研究分に回すこととした。2018年は国内において、アフリカおよび世界各国の定期市に関する文献調査を中心に情報収集を行った。主に扱った文献は、以下の通り。 ・Bohannan, P. & Dalton, G. eds. (1962) Markets in Africam Northwestern University Press, ・石原潤(1987)『定期市の研究』名古屋大学出版会 その他、定期市の歴史に関する論文などである。 また、2月21日に京都大学稲盛財団にて開催された第241回アフリカ地域研究会の『市場に生きる女性商人の世界:拡大するアフリカ都市と農作物流通』(講師:塩谷暁代氏)に参加し、カメルーンの首都ヤウンデにおける大規模な野菜市場の状況についての知見を得た。カメルーン西部州の地方の農作物流通は首都ヤウンデや大都市ドゥアラとも密接に関係するので、さらに広い視点で地域の農作物流通をとらえるきっかけとなった。もう一つの視点として、近年の地域の定期市活性化に貢献している重要なアクターとして、バイクタクシーの増加現象に注目し、これまでの観察結果をまとめ、第54回日本アフリカ学会学術大会(北海道大学)にて口頭発表した。この結果は、今年度の現地調査結果をさらに追加した上で論文として発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度4月から9月に特別研修で集中して調査研究を行うことになったため、2018年度は当初の予定を変更し、現地調査を行わなかった。そのため現状においては当初の予定より進捗は遅れているが、2019年度の調査をより充実できる目処が立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度前半の特別研修期間中に、カメルーン西部州での1ヶ月の現地調査を予定している。本調査では、2018年度に焦点化したバイクタクシーの変遷についても調査を本格的に開始する予定である。また、これまでアンケートやインタビューを継続してきた定期市の女性小売商のライフヒストリーの聞き取り、および野菜の仕入れ、買い付けへの同行調査も予定している。さらに小都市近郊の野菜生産者側の状況もインタビューなどで蓄積していく予定である。 2020年度には、野菜の生産、流通、販売、そして消費までの情報をネットワーク図としてまとめ上げる作業を予定している。
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Causes of Carryover |
2019年度に特別研修を取得するため、この期間の調査研究予算を確保するため、2018年度の執行金額を物品購入(パソコン)と国内出張旅費に抑えた。2019年度にはカメルーン現地調査およびフランス国内、ヨーロッパ域内の研究機関訪問などの出張旅費の支出を予定している。
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