2019 Fiscal Year Research-status Report
A Basic Comparative research for the Traditional Pollution-Purification System in the Local Societies and its Contemporary Transformation
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18K11807
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
友常 勉 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (20513261)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ダリト / 被差別部落 / 皮革産業 / 労働 / 商品制 / ケガレ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の2年目は、前年のインド・アグラ調査を踏まえて、インドから二人のダリト研究者・ダリト解放運動の活動家を呼び、2019年9月21日に、国際ワークショップを開催した("Dalits in India: Historical Reflections and Challenges") 。ワークショップは、東京外国語大学FINDASと共催で行った(FINDAS Joint International Workshop with Scientific Research Project for The Comparative Study between South Asia and Japan with focusing on the Customs of Pollution-Purification in Local Societies and its Preset (Tomotsune, Tsutomu))。報告は、Shahana Bhattacharya (University of Delhi)およびRahul Singh(National Program Coordinator, National Dalit Movement for Justice (NDMJ)-NCDHR、さらに申請者である友常が報告Examining Stigmatization of Leather Industry: By Focusing on the Labor Forms of Dalit and Burakuを行った。このワークショップは、Findas International Conference Series4:Examing Stigmatizatoin of Leather Industry: By Focusing on the Leather Forms of Dalits and Buraku, (4), 3-16,として発行した。また、商品制と労働形態についての研究は、「解説 浜矩子によるラディカルなマルクスの読みなおし」(浜矩子『強欲「奴隷国家』からの脱却』(講談社2020年3月)所収)として発表した。国内調査については徳島県徳島市の「阿波木偶箱廻し保存会」において聞き取り・資料調査を行い、被差別民の芸能と生業との関係について調査を進めることができた(2020年3月14日)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画2年度も順調に計画を進めることが出来た。ダリトと被差別部落、インドの皮革産業と日本の皮革産業との比較研究、ケガレ―キヨメ体制の理論的争点の整理(本質主義的把握と構成主義的把握)、インドの植民地体制のもとでのダリトとその皮革産業・労働と、現代における日本の皮革産業・労働との比較研究を進めることができた。これらを報告として発行することができた。国内では東京・墨田区、神奈川県秦野市、徳島県徳島市でフィールド調査を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画最終年度は、インドの皮鞣し産業についてのフィールド調査を行う。国内調査としては、被差別部落の労働形態について、逵田良善資料を中心に整理する。そのうえで、これまでの研究を整理した報告論文の執筆、あわせて報告を兼ねたワークショップの開催を予定している。これらをふまえて、この科研費以後の今後の調査(インドにおけるダリト・コミュニティにおけるよりトータルな調査と日本の被差別部落のコミュティとの比較)のための準備を進めていく予定である。
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