2021 Fiscal Year Research-status Report
多様化する中華学校における音楽教育の民族音楽学的研究
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18K11808
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
有澤 知乃 東京学芸大学, 留学生センター, 准教授 (90588906)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 華僑 / 音楽 / 中華学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度も新型コロナウイルス感染症の拡大下にありフィールド調査ができなかったことから、これまでの調査で得られた資料の更なる精査にくわえて、海外の事例や研究動向の確認を中心におこなった。 まず、昨年度までに収集した教育教材の中から、中国語の歌曲の和訳をおこない、歌詞にうたわれている内容について、歴史的・社会的背景との関連からその意味や意義をより詳細に把握した。特に、1950年代の社会主義を賛美した歌曲や、1960年代から70年代の文化大革命時代の毛沢東賛美の歌のについては、当時の中国社会と日本社会におけるこれらの歌曲の役割に関する資料にもあたり、華僑社会において祖国の社会状況が音楽教育にどのような影響を与えたか検証をおこなった。 さらに、これまで収集した学校誌や学校通信をさらに入念に読み込み、音楽教育や音楽活動に関する記述を抜き出しデータベース化すると共に、教材の変化や音楽教育・音楽活動に対する意識の変化について検証した。 また、学校における児童生徒へのアンケート調査の準備として、音楽アイデンティティに関わる内外の最新研究動向を追加確認し、調査方法および質問項目の再検討をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大による。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症拡大が収束したのち、学校にて児童生徒へのアンケート調査と個別の聞き取りを実施し、これまでの調査結果と合わせて分析・理論化をおこない、研究成果の発信に向けて準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、計画していた調査や海外での学会発表ができなかったため。
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