2019 Fiscal Year Research-status Report
ブータンの村落社会内における共同活動についての多面的研究:成功度の要因と経済格差
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18K11811
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上田 晶子 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (90467522)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 農村開発 / ブータン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ブータンにおける伝統的な形の農・畜産・森林作業の相互扶助の状況と、近年、農業省によって導入されている協同組合や乳製品加工ユニット、そしてコミュニティ・フォレストの活動について、現地調査を行う予定で準備を進めていた。現地の協力大学の計らいで、滞在のためのビザも発行され、3月にブータンを訪問した。しかし、ブータンに到着したその日に、ブータンに滞在していたアメリカからの観光客が新型コロナウィルスに感染していることが判明し、これがブータンでは感染の最初のケースとなったことで、この観光客がそれまでに訪問したブータン西部地域の学校と大学がすべて閉鎖となった。本調査で研究の助けをしてくれている大学もその地域にあり、キャンパスへの出入りができなくなった。本研究に協力していくれている教員は、キャンパス内の教員住宅に住んでおり、キャンパスから出ることができなくなった。当初、学校・大学の閉鎖は2週間という政府の方針であったので、首都で待機し、その後、調査に行くことが可能になるかどうか判断しようとした。しかし、2週間の後、学校・大学の閉鎖は無期限で延長となった。更に、新型コロナウィルスの感染者が外国人であったことで、農村部において、外国人に対する警戒感が強くなっているという情報もあり、今回の現地調査は諦めざるを得ない状況となった。 ブータンに滞在中は、適宜、現地大学の教員と連絡を取り、質問票の項目等について貴重な示唆を得た。 今後の研究の進展については、新型コロナウィルスの感染状況と、それに伴う現地での外国人の入国許可の可能性、そして、ブータンへの航空便の運航状況等、不確定な要素が多く、現時点での判断はむずかしい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記のように、今年度予定していた現地調査が実施的なかったこと、そして、今後の見通しが具体的に立てられない状況にあることが理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
現地の受け入れ機関であるブータン王立大学農業カレッジの教員と密に連絡を取りながら、どのような形での現地調査が可能かを探る。
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Causes of Carryover |
3月に現地調査を目的としたブータン出張が、上記の理由で短縮せざるを得なかったのが理由である。今後、現地調査がどのように可能であるかを、現地の協力大学と打ち合わせを重ねながら、現実的な方策を探りたい。
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