2018 Fiscal Year Research-status Report
ラーマ6世・7世時代の資料に見るオリエンタリズムとしての日本表象の研究
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18K11812
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平松 秀樹 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携准教授 (20808828)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 日本表象 / タイ文学 / タイ映画 / オリエンタリズム / ジャポニスム / ラーマ6世 / ラーマ7席 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度は、研究実施計画の予定通り「ラーマ6世・7世時代の資料に見るオリエンタリズムとしての日本表象の研究」のための現地資料調査を実施した。平成31年2月11日より3月12日まで、タイ国立図書館およびタイ・フィルムアーカイブにおいて、1900年-32年のタイの文学テクスト(小説・短編)および雑誌・新聞、映画の調査を行い、日本に関係する言説・表象を持つ文学テクスト、雑誌・新聞記事および映像資料を収集した。 また、海外学会(The International Symposium on Japanese studies in Thailand 2018)に参加し発表を行い、国内シンポジウムでの発表(大阪アジアン映画祭シンポジウム「生まれ変わるタイ映画:魂のホームステイと救済」)を行った。 今後、現地調査によって得た貴重な資料をもとにして、本研究の目的である、ラーマ6世・7世期(20世紀前半)に発表された文学テクスト、雑誌・新聞等の同時代資料、映画作品を対象とした、タイから日本へ向けられた言説・表象に着目した個々の作品分析を行い、当時のタイからの日本認識が、西洋オリエンタリズムと同種のものか、あるいはタイ独自のバイアスが加味されているのかを検証し、文化的側面からみた日=タイの関係性の実相を明らかにしていくものである。同時に、日本で研究会を開催して成果を発表し、ジャポニスム、オリエンタリズム研究の専門家と意見交換を行う予定である。 また、初年度の計画にあったが実施できなかった、チュラロンコーン大学附属図書館において20世紀前半のタイと日本との関係に触れた資料調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タイ国立図書館およびタイ・フィルムアーカイブにおいて約30日間の現地調査を実施し、関連資料を収集することができた。貴重な資料や事実の発掘を行い、おおむね順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究第二年度は、チュラーロンコーン大学付属図書館での「ラーマ6世・7世時代の資料に見るオリエンタリズムとしての日本表象の研究」のための文学テクスト、雑誌・新聞記事の調査、およびタイ・フィルムアーカイブにてドキュメントを中心とする映像資料調査を実施する。また、初年度収集した資料を整理し、総合的な分析を行い、予定している研究発表に備える。
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Causes of Carryover |
研究初年度に海外資料調査を60日間計画していたが、約30日間の実施となったため、第二年度にその分を含めた現地調査を実施する予定である。
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Research Products
(2 results)