2021 Fiscal Year Research-status Report
ラーマ6世・7世時代の資料に見るオリエンタリズムとしての日本表象の研究
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18K11812
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平松 秀樹 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携准教授 (20808828)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日本表象 / タイ文学 / タイ映画 / オリエンタリズム / ジャポニズム / ラーマ6世 / ラーマ7世 / タイ・フィルムアーカイブ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度と同様に令和3年度においても、当初の研究実施計画で予定していた現地資料調査、および海外からのゲストを招聘しての研究総括のためのシンポジウムが、海外渡航制限などの社会事情によりキャンセルとなった。 本年度は、昨年度と同様に過去に実施した現地調査によって得た資料をもとにして、本研究の目的である、ラーマ6世・7世期(20世紀前半)に発表された文学テクスト、雑誌・新聞等の同時代資料、映画作品を対象とした、タイから日本へ向けられた言説・表象に着目した個々の作品分析を行った。当時のタイからの日本認識が、西洋オリエンタリズムと同種のものか、あるいはタイ独自のバイアスが加味されているのかを検証し、文化的側面からみた日=タイの関係性の実相を明らかにしていくものである。 また、論文「タイ映画『バッド・ジーニアス─危険な天才たち』とカンニング─ヒロインは聖女か悪女か」(『結末の向こう側:混成アジア映画研究2021』(京都大学東南アジ ア地域研究研究所)CIRAS Discussion Paper 107、2022)、「タイのラーマーヤナ「ラーマキエン」の現代的展開―チャイヨー・スタジオ製作映画を中心にして」(『現代東南アジアにおけるラーマーヤナ演劇』めこん2022)を執筆した 今年度実施できなかった研究計画は、補助事業期間延長により次年度実施する。タイ・フィルムアーカイブにおける20世紀前半のタイと日本との関係に触れた資料調査を行うとともに、海外および国内からジャポニスム、オリエンタリズム研究の専門家を招き研究集会を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
海外渡航制限によって、本年度に予定していたタイ・フィルムアーカイブにおける映像資料調査、および海外からの専門家を招聘したシンポジウムが実施できなかったため。研究が遅れている。 当該調査・研究は来年度に延長して実施し、本研究を総括する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、タイ・フィルムアーカイブにてドキュメントを中心とする映像資料調査を実施する。また、今まで収集した資料を整理し、総合的な分析を行い、予定している研究発表に備える。同時に研究を統括して文章化し成果をまとめる。
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Causes of Carryover |
海外渡航制限等の社会事情によって、本年度に予定していたタイ・フィルムアーカイブにおける海外資料調査、および海外・国内からの専門家を招聘したシンポ ジウムを実施できなかったため、計上していた予算を使用することができなかった。今年度予定していた調査・研究は来年度に延長して実施し、本研究を総括する予定である。
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Research Products
(2 results)