2018 Fiscal Year Research-status Report
The Effect of Participation and Alignment on the Sustainability in Development Aid
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18K11815
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
三上 了 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (10386708)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 開発援助 / 参加 / アラインメント / 持続可能性 / 家庭内飲料水消毒 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず調査実施のため、愛媛大学医学部臨床研究倫理審査委員会、マケレレ大学人文社会学科研究倫理委員会、そしてUganda National Council for Science and Technologyから研究許可を得た。 そして2019年3月からウガンダ国ムコノ県ンテンジェル郡キソガA区とB区の192世帯を対象に、家庭内飲料水消毒に関する支援を、異なるアプローチで行い、さらに、介入二週間後までの継続状況について調査した。 これは、途上国に対する開発援助において、援助した成果(生活改善のためのインフラや習慣)に持続性を持たせるための方策として推奨されている(ただし、その負の作用も指摘されている)、参加(被援助者に援助内容を決めさせ、管理させる)とアラインメント(被援助者の既存の生活様式になるべく合致した内容にすること)の実際の効果を検証するという本研究の目的を達成するためである。 研究実施計画で示した通り、持続における集合行為問題を回避するため、支援は、井戸など給水施設の設置や修復ではなく、各家庭における水の消毒習慣とした。「アラインメント」の効果を検証するため、被援助者の生活の延長線上に位置づけられる煮沸消毒を支援する場合と、なじみのない塩素消毒を支援する場合に分け、さらに、「参加」の効果を検証するため、支援される消毒方法を選ばせる場合と、一方的にどちらかを支援する場合に分けた。平均因果効果をバイアスなく推定するため、上記の異なる介入は、無作為に割付けた。 支援した消毒習慣の継続状況は、面接調査での自己申告による情報に加えて、飲料水の大腸菌群の数や残留塩素量といった観測値、さらに消耗品(煮沸消毒の場合は木炭、塩素消毒の場合は塩素タブレット)の追加購入行動で測定した。2019年度に4か月後の継続状況について追跡調査する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マケレレ大学人文社会学科研究倫理委員会、そしてUganda National Council for Science and Technologyからの研究許可がなかなか下りなかったため、一旦、調査の延期を検討したが、3月になって下りたため、予定通り、2018年度中の本格調査実施に踏み切った。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、介入4か月後の継続状況について追跡調査を行う。 そしてすでに取得済みの介入2週間後の継続状況と合わせて、参加とアラインメントの持続性に対する平均因果効果を推定する。 分析結果を国際開発学会で報告する。 年度内に英文ジャーナルに投稿する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が計算上生じている理由は、3月中旬から4月中旬まで行った調査での謝金が含まれていないためである。実質的にはゼロであり、次年度分の助成金はエンドライン調査に使用する。
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