2018 Fiscal Year Research-status Report
"China Trade Shock" and the U.S. Manufacturing Industry: Worker / Middle-class / International Trade Policy / Region
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18K11827
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
山縣 宏之 立教大学, 経済学部, 教授 (80389402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 醸 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (00401670)
藤木 剛康 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (70283950)
河音 琢郎 立命館大学, 経済学部, 教授 (90273870)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アメリカ経済 / トランプ現象 / 製造業 / 労働者 / 財政政策 / 通商政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、米トランプ政権誕生の中長期的背景と直接的要因を、経済学(製造業分析、労働市場分析、財政政策分析、通商政策分析)、地理学(空間的視点・地域経済論視点)の視野を総合・融合しつつ、ポスト工業社会への移行、グローバル化の製造業労働者への影響、地域ごとのその影響の相違、トランプ政権にいたる米連邦政府の政策の影響に着目し、明らかにすることを掲げている。 2018年度は、1)トランプ現象の経済的背景をなす、全米、ラストベルトの製造業と製造業労働者のおかれた境遇と動態を分析した。「ラストベルト」諸州は、衰退してきたとはいえ、依然として「製造業地域」という性格を強く残していること、直近ではやや回復しつつあるものの、製造業労働者は減少し、待遇が悪化してきたこと、再就職環境も厳しかったこと、リベラル地域と比較した場合、ラストベルトの労働市場はシビアな状況にあり、労働組合も苦境にあったこと、これらが「トランプ現象」をもたらした経済的背景をなすこと、2)内政(財政政策)としては、オバマ政権と比較したトランプ政権の財政政策展開は、実はミドルクラス対策の後退と把握できること、3)外政(通商政策)としては、国際政治経済学視点からのトランプ政権通商政策の特質の分析、通商政策とも連動するトランプ政権の国家安全保障戦略の検証の結果、リベラルな国際秩序が米国を中心とした「有志連合」に改変されつつある、と把握できることを明らかにした。 研究成果リストにあるとおり、当初予定の「基礎研究、データ・資料の検討」という計画を上回り、3年間の研究計画の60~70パーセントに相当すると考えられる研究成果(アウトプット)をすでに得ることが出来た。 2019年度(2年目)は、一部予定を、代表者の校務多忙化に伴い、3年目に実施することを想定しているが、かわりに上記の通り、初年度に作業をかなり前倒しして進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記載通り、当初計画(1年目は基礎研究に相当する、研究レビュー、統計処理、資料読解、共同研究におけるシナジー効果の工夫等)を超えて、2年目に想定していた研究および研究成果公表まで、行うことが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画1年目(2018年度)「どの製造業・どの製造工程」が再編され「どの製造業労働者階層」に最も負の影響が及んだのか」に、2年目に想定していた計画(問題が集中した地域(ラストベルト等)の労働市場と地域経済はどのように再編されたのか)の大半を遂行した。そのため研究計画2年目(2019年度)は、米国現地調査および研究成果のアウトプットに主眼を置くこととしたい。 研究計画通り、シンクタンク、NPO等、政策立案に関わる利害関係団体などを念頭に、米国現地調査を遂行する。現時点で想定しているのは、製造業業界団体関連の研究所、政策立案に深く関わる米国のシンクタンク(超党派系シンクタンクを中心に予定)、通商政策に関わる業界団体等の利害関係団体、可能であればトランプ現象の背景をなす労働組合や関連するNPO等へのヒアリング等、などである。 また、2年目に予定していた「製造業・産業衰退と労働者の苦境(失業、転職、賃金低下等)にともなう、地域経済に及んだ負のスパイラル」についても、すでに収集済みの地域経済統計、地域社会統計、米国連邦政府、州政府、議会資料、報告書、研究のレビュー等に基づき、研究に着手するほか、労働組合の動向、財政政策の最新の展開と過去との比較によるその意義の研究、通商政策の展開のフォロー等を続ける。 研究代表者は、6月に米国研究の全国学会で発表する(ラストベルトの産業構造動態と製造業労働者-トランプ現象の経済的背景・8州の事例分析から-)ほか、研究分担者とともに、国際経済学系の全国学会で、ミニシンポジウムを開催する。 2年目に予定していた国際シンポジウムについては、研究代表者の校務多忙化に伴い、3年目に延期する方向で調整している。3年目は研究計画に相当程度の余裕があるためでもある。
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Causes of Carryover |
2018年度の残額(繰越し)は主として一部研究分担者の物品費(書籍代)、研究代表者の国内旅費、全員の消耗品費等で生じたが、物品費は必要な図書の出版が2019年にずれ込んだこと等により、2019年度に購入予定である。国内旅費は2月実施の研究会のための旅費の支出が、会計処理上、2019年度に行われるためであり、すでに2019年度の支出が決定している。消耗品費は消耗品費枠で購入予定だった2018年度購入予定の図書が廃刊になったため等であり、2019年度に代替図書を購入すること、必要な消耗品を購入することで執行予定である。
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Research Products
(10 results)