2020 Fiscal Year Annual Research Report
"China Trade Shock" and the U.S. Manufacturing Industry: Worker / Middle-class / International Trade Policy / Region
Project/Area Number |
18K11827
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
山縣 宏之 立教大学, 経済学部, 教授 (80389402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 醸 拓殖大学, 政経学部, 准教授 (00401670)
藤木 剛康 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (70283950)
河音 琢郎 立命館大学, 経済学部, 教授 (90273870)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ポピュリズム / アメリカ / 製造業労働者 / ラストベルト / トランプ減税 / 大国型通商政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画最終年度(3年度目)の計画通り、米ラストベルト地域の産業構造高度化と労働市場分析、トランプ政権の財政政策、通商政策の分析のうち、ミシガン州に絞った産業構造高度化と労働市場動態の詳細な分析、トランプ政権の税制改革の立ち入った評価、新展開を見せた通商政策の分析などの積み残し作業を行った。加えて計画通り、研究成果のアウトプット作業を継続した。新型コロナ感染症流行に伴い、資料収集、聞き取りについて本年度は実施が困難であったが、すでに2年度目までに研究と研究成果上程をかなり前倒しで行なったため、特段問題は生じなかった。 研究成果のアウトプットは、計画通り、論文を中心に行った。ミシガン州の全米平均より遅れている産業構造高度化と就業構造分極化は、必ずしも中間層が厚く存在している良好な地域経済と労働市場の状態を示すものではなく、むしろ産業構造高度化と就業構造分極化の進展が遅れている「停滞状態」として評価したほうが適切であること、2010年以降雇用は回復したものの、製造業労働者の待遇は必ずしも十分に回復したとは評価できないこと、財政政策は、トランプ減税と呼ばれる法人税と所得税減税にほぼ限定されるが、他国と異質な「覇権国」の税制から、国内経済と雇用重視の「地政学的大国」型税制への移行過程として評価できること、伝統的な共和党政権とは異なり、混沌としつつも民主党・労働者とのコンセンサスが一定形成され、国際経済にも配慮した「覇権国」型から国内中間層雇用を重視した「地政学的大国」型の通商政策への移行として評価できるという研究成果を得て、それぞれ論文として公表した。
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Research Products
(2 results)