2020 Fiscal Year Research-status Report
グローバル映画流通網におけるアジアと日本の市場比較:配給を中心に
Project/Area Number |
18K11831
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
笹川 慶子 関西大学, 文学部, 教授 (30339642)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 映画 / 流通 / 配給 / 産業 / アジア / ロンドン / 日活 / 小野丑蔵 |
Outline of Annual Research Achievements |
ロンドンの映画市場および配給システムの形成と変容を研究し、ロンドンでの日活の活動を明らかにした。成果は「小野丑蔵とロンドン―英国の初期映画供給(1)」と「小野丑蔵とロンドン―英国の初期映画供給(2)」にまとめた。 国際学会は東アジア文化交渉学会第12回国際学術大会とCrossroads Cultural Studies Conference 2020にエントリーし、審査を通過したが、新型コロナの影響で延期され発表できなかった。ただし前者は予稿集に「日英映画交流史(3)―日活とロンドン」を掲載した。 アメリカ調査は渡航できず延期した。ただしアメリカから史料を一部取り寄せることができたので、それをもとに現在論文を準備している。 また来年度以降に予定するアジアでの現地調査の準備を兼ねて、これまでの研究成果を中国語や英語で発信した。「ベンジャミン・ブロツキーと環太平洋映画交渉」の中国語版を『東方研究集刊』(浙江工商大学出版社、2019年)に、 “A Genealogy of Kouta eiga: Silent Moving Pictures with Sound”をThe Culture of the Sound Image in Prewar Japan(アムステルダム大学出版、2021年)に、”Universal goes to Asia――Trans-pacific film distribution in the 1910s”を『東アジア文化交渉研究』(関西大学、2021年)に掲載した。 さらに「初期アジア映画配給網の形成」を『中国関係論説資料』(論説史料保存会、2020年)に採録し、2020年4月8日放送「NHK歴史秘話ヒストリア――激闘!中国革命に賭けた日本人 孫文と梅屋庄吉」の番組制作に協力するなど、研究成果を広く世に示す機会を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ロンドンでの現地調査を前倒しで2019年度に実行していたため、2020年度は計画通りにその成果を論文にまとめることができた。一方、2020年度に予定していたニューヨークとサンフランシスコでの現地調査は新型コロナの影響で渡航できず延期した。ただしアメリカの図書館と交渉しデジタル史料の一部を取り寄せられたので、部分的とはいえ研究は進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度はアジア各地での現地調査を予定しているが、新型コロナの影響で渡航が制限される、あるいは渡航しても現地での利用が制限されることが予想され、計画通りに実行するのは困難と判断した。そこでアジアでの現地調査は2022年度に延期し、代わりに2021年度はアメリカ研究を可能な限り日本で続行し、将来のアメリカ現地調査のための準備をする。同時にまた、2022年度に予定している日本での調査を前倒しで進める予定である。
|
Causes of Carryover |
2019年度と2020年度に予定していた東京出張および2020年度に予定していたニューヨークとサンフランシスコでの現地調査が新型コロナの影響で実行できず延期したため。今後状況が落ち着いたら実行する予定である。
|
Research Products
(7 results)