2019 Fiscal Year Research-status Report
Theory Building and Method Design in the Fusion of Destination Marketing and Experiential Marketing
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18K11837
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北村 倫夫 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (80374643)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | デスティネーションマーケティング / 観光マーケティング / 経験価値マーケティング / サービスマーケティング / 地域マーケティング / 地域ブランディング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、最新の顧客ニーズに対応し発展しつつある経験価値マーケティングの理論と、世界標準となっているデスティネーションマーケティングの理論を融合することにより、新しい「デスティネーション経験価値マーケティング」の理論と手法の標準的なモデルを構築し、今後の日本の観光地域づくりへ寄与する ことを目的として実施している。 2019年度は、事業期間3ヵ年度の中間年度に当たることから、研究の中間的取りまとめを行ない、その成果を論文(査読付)として執筆・公開した。具体的には、主に日本を想定した、DMM(デスティネーション・マーケティング・マネジメント)体系の汎用的フレームワークを以下の方法によって構築した。 まず、モノ商品(製品)を対象とした伝統的マーケティング論で確立されている標準的なマネジメント体系を原型とし、それにデスティネーションの特性から要請されるサービス・マーケティングの要素を加味し、DMMのフレームワークの理論的仮説を整理した。 次に、DMMフレームワークの理論的仮説の実効性を検証するために、観光国でありマーケティングの発展しているアメリカとカナダの代表的なデスティネーション及びDMO(デスティネーション・マネジメント・オーガニゼーション)を選択し、そこで策定されているDMP(デスティネーション・マーケティング・プラン)12事例の構成項目体系と記載内容を、理論仮説フレームワークの項目・内容と照合しつつ、「合併集合」の考え方で分析・整理した。その結果として、汎用的なDMMフレームワークを構築することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の中心的テーマは、主に日本への適用を想定した「デスティネーション・マーケティング」の汎用的マネジメントモデルの構築、及びデスティネーションにおける「経験価値マーケティング」理論的深化の2つである。事業期間3ヵ年度の中間年度にあたる2019年度においては、研究の中間的とりまとめとして、前者の汎用的モデル(フレームワーク)を構築することができた。なお、本年度は海外現地調査を予定していたが、コロナ禍の影響により実施できなかった面があるものの、文献調査等によって補完することができ、研究全体としてはおおむね順調に進んでいると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究のもう一つの中心テーマである、(主に日本の)デスティネーションにおける「経験価値マーケティング」の理論的体系化に焦点を絞り、次の方法によって研究を推進する。 第一は、いわゆる「経験価値観マーケティング」の国内外の最新研究や実践的取組み事例の情報を整理し、その普遍的要素を抽出する。第二は、観光先進国(英語圏)のデスティネーションを対象とした「経験価値商品・サービス」の事例調査、及び既存のDMP(デスティネーション・マーケティング・プラン)のテキストマイニング分析を行なう。両者の分析を統合し、今年度の成果である汎用的フレームワークに、経験価値の要素を取り込んだ「デスティネーション経験価値マーケティング」の体系と実践的方法論を構築する。
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Causes of Carryover |
本研究の事業期間は3ヵ年度であり、次年度が最終年度に当たるため費用が発生する。特に、本年度(2019)に予定していた海外現地調査がコロナ禍により実施できなかったため、次年度に実施を予定する。
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