2018 Fiscal Year Research-status Report
観光地における街路修景と生活基盤の質的向上に向けた街区整備手法の評価
Project/Area Number |
18K11857
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 雅 広島工業大学, 工学部, 教授 (70273464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天満 類子 広島工業大学, 環境学部, 助教 (10648512)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 観光地 / 街路修景 / 伝統的建造物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、伝統的建造物が立地する観光地における街路修景と生活基盤の質的向上をもたらす街区整備手法の評価を目的とするものである。本年度は、街路特性を評価するための基礎調査として、欧州各都市の市街地と国内の重伝建地区における歩行者空間の現地調査を実施した。このほか、ケーススタディのための基礎調査として、宮島を対象とした歩行者をはじめとする交通量調査を実施し、街路特性評価のための基礎データを収集した。また、岩国城下町地区を対象に2階建て町家の建築や増改築の経緯に関する基礎調査を実施した。 国内外の歩行者空間の現地調査に関しては、国外ではオランダ、フランス、ルクセンブルクおよびドイツの5都市を訪問し、街区整備の現地調査(道路構造計測、歩行者通行量計測)を行ったほか、現地の専門家にヒアリングを行った。国内では長野・岐阜・愛知・三重地区における伝統的建造物群保存地区あるいはこれに準ずる地区において、街路修景、交通量および交通規制の実情を把握した。 宮島を対象とした交通量調査においては、島内の12箇所の地点で11月8日(木)および11月23日(金・祝)の2日間にわたって9:00~17:00の8時間の調査を実施した。各調査地点において、自動車、二輪車、動力のない乗り物、歩行者の4分類の交通量を調査した。 岩国城下町を対象とした町家調査においては、錦川沿いに立ち並ぶ独特な形状をしている古い2階建て町家に着目し、どのような経緯を経て現在に残っているか明らかにするために現地調査・資料調査を行った。当該地区の建物を実測し、構成や増改築の経緯を調査したほか、地区の住民に聞き取りを行った。また、明治~昭和25年頃の古写真を収集(岩国徴古館)し、建築や増改築の経緯を読み取った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は街区整備の評価手法の検討のための国内外の歩行者空間の事例収集を予定通り実施することができた。また、ケーススタディを実施する地区として、宮島と岩国城下町を選定し、それぞれの地区において基礎調査を予定通り実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に調査した内容を踏まえて、評価手法を確立するための事例分析を行っていく。ケーススタディ地区においては、基礎調査で得られたデータの分析を進めていくほか、追加調査を実施していくことにより、街区整備の評価に必要なデータ収集を引き続き行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
調査を実施するにあたって科研費だけでは賄えないために他資金(学内研究費など)も活用しながら調査を実施した。このため、結果的に次年度使用額が生じることとなった。本額は次年度の調査費用として活用していく予定である。
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Research Products
(6 results)