2020 Fiscal Year Research-status Report
観光地における街路修景と生活基盤の質的向上に向けた街区整備手法の評価
Project/Area Number |
18K11857
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 雅 広島工業大学, 工学部, 教授 (70273464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天満 類子 九州大学, 人間環境学研究院, 学術協力研究員 (10648512)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 観光地 / 街路特性 / 伝統的建造物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、伝統的建造物が立地する観光地における街路修景と、生活基盤の質的向上をもたらす街区整備手法の評価を目的とするものである。令和2年度は、街路特性を評価するための調査・分析として、岡山県倉敷市の美観地区の現地調査に基づいて、宮島の街路特性との比較分析を実施した。また、生活基盤としての伝統的建造物を評価するための調査・分析として、山口県岩国市の旧城下町の現地調査に基づいて、宮島の伝統的建造物との比較分析を実施した。 街路特性の調査・分析においては、街路修景要素として道路路面に着目し、舗装の状況、マンホールの外観デザインの実態調査を実施した。倉敷の美観地区は、路面の石畳施工やマンホールを鉄板ではなく石畳のデザインに合わせるなどの工夫がなされており、街路修景の先進事例として知られている。他方、宮島においては、従来のアスファルト舗装に鉄板のマンホールという、まちなみ景観とのアンバランスが見られる通りが多く、改善が必要な状況を確認した。 伝統的建造物の調査・分析においては、国重要文化的景観の選定を目指している岩国城下町を取り上げ、横山地区にある空き家を考察の対象として、景観構成要素となりうる可能性を検証した。宮島においても、伝統的建造物群保存地区の対象となっていない地域の伝統的建造物をいかに保全するかという課題があり、文化的景観として保全する方策を検討する必要性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症の影響により、国内外の事例収集調査が予定通り実施できなかったほか、宮島における現地調査についても予定通り実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年間延長して本研究課題を実施する。令和3年度においては、前年度に実施できなかった国内外の事例収集調査や宮島における現地調査を行ったうえで、4年間の研究を取りまとめる予定としている。また、研究を完了するために、研究分担者2名を拡充し、調査内容を充実させることとする。
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Causes of Carryover |
歩行者空間の国内外事例収集のための現地調査、ならびに宮島における現地調査を実施することができなかったため、旅費の未使用分が生じた。 このため研究期間を1年間延長し、令和3年度においては、研究分担者2名を追加し、4名体制で本研究課題を実施することとし、研究費を再配分したうえで使用する予定である。
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Research Products
(4 results)