2019 Fiscal Year Research-status Report
Anthropological analysis of wine tourism policies from international comparative perspectives
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18K11861
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
児玉 徹 筑波大学, 筑波会議・TGSW推進ユニット, 准教授 (50420592)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ワイン / ツーリズム・観光 / 地域ブランド、テロワール、地理的表示 / 地域ブランド政策、観光政策、政策人類学 / 文化情報、知的財産、文化遺産 / 食文化、食文化産業 / 文化産業、クリエイティブ産業 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度も国内外で調査活動を精力的に実施。研究成果も国内外にて発表。海外では、フランス、ベルギー、スイスを訪問し、調査及び/又は研究発表を実施。フランスでは、ボルドー及びブルゴーニュを訪問。両地でのワインツーリズムの調査のため、観光業者、DMO施設、ワイナリー経営者、大学関係者(ボルドー大学とボルドーサイエンスアグロ)等にインタビュー調査を実施。La Cite du Vin(ワイン博物館/ボルドー)においても現地調査を実施した。 ベルギーでは、2019年4月に、UNESCOとカトリックルーヴァン大学(KU Leuven)が共同で開催した国際会議「6th UNESCO UNITWIN Conference 2019」(会場:KU Leuvenキャンパス)に参加して、研究発表を行いつつ関連情報収集を実施。さらにKU Leuven法学部からの招聘のもとに、2020年3月初旬-中旬に同大学キャンパスにおいて全6回の集中講義(各2時間)を実施し、その中で国際比較的見地からワインツーリズム・ワイン産業を解説した。 スイスでは、2019年7月にジュネーブで開催されたOIV(国際ブドウ・ブドウ酒機構)の年次総会に出席し、研究発表及び関連情報収集を実施(当該発表に関する論文はBIO Web Conferencesにて公表済み)。さらにローザンヌで開催されたInternational Wine Law Associationの年次総会での参加・情報収集、ヴヴェイで開催されたFete des Vignerons(ユネスコ無形文化遺産)及びラヴォー地区のワイン産地(ユネスコ世界文化遺産)の訪問・調査を、それぞれ行った。 国内においては、山梨と山形において現地調査を実施。またワインの地域ブランドに関する研究成果を応用させて、日本酒の地域ブランドに関する論考も発表。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究調査活動は概ね順調に進んでいる。2018年度及び2019年度において、海外においては、ワイン産地の「旧世界」と称される国々を訪問して現地調査を実施。国内においては山梨、長野、山形にて現地調査を実施。海外・国内におけるその他のワイン産地についても関連文献の分析を通して幅広く研究調査を行ってきた。こうした研究調査を通して得られた成果も、コンスタントに国内外にて発表してきている。 こうした研究調査の実施や成果の公表を通して、ワインツーリズム ・ワイン産業に関する地域ブランド情報の創造・発信・普及を支える政策・制度・仕組みに焦点を当て、そこにおける多様な主体の相関関係を明らかにしてきた。またこの分野での研究調査を深化させるために、類似する酒類産業やその他フード産業・フードツーリズム産業における地域ブランド情報の発信に関する多様な主体の相互関係との比較考察を精力的に行ってきた。 そしてこの過程で、ワインツーリズムを始め、地域の農産物や食品・食文化に関するブランド戦略・政策やツーリズムを研究対象とする海外の研究者とのネットワークも拡充させてきており、本研究の成果をさらに幅広く海外に広めていくための礎づくりにも取り組んできている。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り、2018年度及び2019年度において、海外においては、ワイン産地の「旧世界」と称される国々を訪問して現地調査を行ってきたが、2020年度においては、ワイン産地の「新世界」と称される国々を訪問して現地調査を実施予定である。国内においては、北海道等にて現地調査を実施予定である。現地調査のスケジュールについては、コロナウィルスの影響等を見極めながら今後決定していく。 その他のワイン産地についても、関連文献の分析等を通して、引き続き幅広くかつ多角的な観点から、ワインツーリズム及びワイン産業の推進を目的とした地域ブランド政策・戦略等について研究調査を行う。同時に、ワイン産業・観光産業関係者へのインタビュー調査も(コロナウィルスの影響等を見極めながら)適宜実施する。 そしてこの分野での研究調査を深化させるために、類似する酒類産業やその他フード産業・フードツーリズム産業における地域ブランド情報の発信に関する多様な主体の相互関係との比較考察を精力的に行う。 これら調査研究活動を通して得られる研究成果については、国内外にて発表予定である。
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Causes of Carryover |
可能な限り経費を抑えることを心がけて研究調査活動をおこなったところ、5,305円という若干の差額が生じた。こちらは、2020年度における研究調査活動に有効活用したい。
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