2019 Fiscal Year Research-status Report
観光地におけるサービス経済社会に適した持続力ある多種間連携形成のあり方
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18K11862
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Research Institution | Japan Travel Bureau Foundation |
Principal Investigator |
菅野 正洋 公益財団法人日本交通公社(観光政策研究部、観光地域研究部、観光文化情報センター), 観光政策研究部, 上席主任研究員 (00795578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守屋 邦彦 公益財団法人日本交通公社(観光政策研究部、観光地域研究部、観光文化情報センター), 観光政策研究部, 上席主任研究員 (20814627)
保井 美樹 法政大学, 現代福祉学部, 教授 (60345147)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | デスティネーション・ガバナンス / パートナーシップ / エリアマネジメント / MICE |
Outline of Annual Research Achievements |
「2.海外における「デスティネーション・ガバナンス」の実践事例の概要把握」のため、中山間地域においてレジャー需要に対して効果的に合意形成や連携を図りながら対応している地域として、トッゲンブルグ(スイス)およびナチュルノ(イタリア)を選定し、2019年9月末~10月上旬にかけて関係者へのインタビューを行い、関係者相互の関係性を規定する要因や、合意形成・連携に対する意識を把握した。 また、上記の調査と合わせ、2019年度に文献調査として行った「1.海外の学術研究分野における「デスティネーション・ガバナンス」の概念整理」を補強する形で、「デスティネーション・ガバナンス」概念を主導的に提唱している研究者として、Harald Pechlaner氏(Eurac-Research/ Catholic University of Eichstatt-Ingolstadt:イタリア・ボルツァーノ/ドイツ・アイヒシュテット)および、Pietro Beritelli氏(St.Gallen大学:スイス・ザンクトガレン)と意見交換を行い、その概念整理の精緻化を試みた。 さらに、「3.わが国における「観光地ガバナンスのあり方(方法論)」の仮説モデル設定」のため、我が国の主要な観光地を有する地方自治体の観光担当職員を対象に実施した意識調査を2019年8~9月にかけて行い、その結果をもとに我が国における観光地ガバナンスが地域に与える好影響について汎用的なモデルを検討するとともに、その好影響がどのような要因によって高めうるかを検証した。その結果、我が国における観光地ガバナンスの代表的な因子として「関係者の効果的な参画」と「明確なビジョンの共有」が抽出され、両者は「観光に関わる体制の充実」に影響するとともに、間接的に「観光がもたらす地域への好影響」にも影響することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「2.海外における「デスティネーション・ガバナンス」の実践事例の概要把握」については、①レジャー需要(中山間地域)、②レジャー需要(都市)、③ビジネス需要(都市)のそれぞれにおいて実施予定であるが、2019年度については既述の通り①を先行させ、②③については2020年度に実施することにしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度には前述の「2.海外における「デスティネーション・ガバナンス」の実践事例の概要把握」のうち、②レジャー需要(都市)および③ビジネス需要(都市)を想定し、マルメ(スウェーデン)を対象とした事例調査を2020年6月に行うこととしていたが、世界的な新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、すでに延期を余儀なくされている。 また2020年度は「4.国内モデル地域における適用可能性検討を通じた、わが国における「観光地ガバナンス」のあり方(方法論)の仮説モデル検証」を予定している。方法論としては現地を往訪して関係者へのインタビューを行い、必要に応じて社会ネットワーク分析手法なども適用することを想定している。 上述の通り、今後の研究の推進については現地における実調査が主となるため、COVID-19の拡大状況によっては代替的な手段の適用(メールや質問紙によるアンケート形式等)も検討せざるを得ない状況であるが、状況を注意深く見極めながら成果創出を目指す。 なお、2019年度に今後の研究方策として想定していた観光地ガバナンスの効果を貨幣価値に換算するアプローチについては、2019年度中の検討の結果、他の研究プロジェクトにて取り組むこととし、本プロジェクトでは扱わないこととしている。
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Causes of Carryover |
「2.海外における「デスティネーション・ガバナンス」の実践事例の概要把握」については、①レジャー需要(中山間地域)、②レジャー需要(都市)、③ビジネス需要(都市)のそれぞれにおいて実施予定であるが、2019年度については既述の通り①を先行させ、②③については2020年度に実施することにしたため。
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Research Products
(2 results)