2021 Fiscal Year Research-status Report
観光地におけるサービス経済社会に適した持続力ある多種間連携形成のあり方
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18K11862
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Research Institution | Japan Travel Bureau Foundation |
Principal Investigator |
菅野 正洋 公益財団法人日本交通公社(観光政策研究部、観光地域研究部、観光文化情報センター), 観光政策研究部, 上席主任研究員 (00795578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守屋 邦彦 公益財団法人日本交通公社(観光政策研究部、観光地域研究部、観光文化情報センター), 観光政策研究部, 上席主任研究員 (20814627)
保井 美樹 法政大学, 現代福祉学部, 教授 (60345147) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | デスティネーション・ガバナンス / MICE / エリア・マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
観光地における関係者(アクター)間の連携やネットワークは、デスティネーション・ガバナンスの状況を示す一つの側面とされており、社会ネットワーク分析(Social Network Analysis)の手法を活用して観光地におけるガバナンスの状況を検証するケーススタディも数多く行われている。 このため研究計画における「4.国内モデル地域における適用可能性検討を通じた、わが国における「観光地ガバナンス」のあり方(方法論)の仮説モデル検証」では、国内の複数観光地を往訪して関係者へのインタビューを行い、必要に応じて社会ネットワーク分析手法なども適用することを想定して準備を進めた。 具体的には、関係主体の多様性・複雑性、今後の継続可能性、調査の現実的な実施可能性から、大分県津久見市の「津久見モイカフェスタ」に関係する主体を対象として調査(アンケートおよびヒアリング)を行うことを検討し、調査対象となる地域の関係主体をリストアップし、一次リストを作成した。この結果、「モイカフェスタ立ち上げ時」で6主体、「現在」で23主体の一次リストが作成された。 (参考)津久見モイカフェスタ 概要 津久見市や商工会議所が進める観光地化(観光施設誘致)の流れの中で、観光協会が、漁協、漁師、卸、飲食店に働きかけて実現したもの。通常時価で提供されるモイカを一定期間漁協が定価買取を行い、生け簀で畜養し、飲食店(卸)に定価販売することで、価格が明瞭かつ新鮮な飲食メニューとして提供するシステムで、漁師の収入安定にもつながっている。想定以上の顧客評価を得て、モイカ(アオリイカ)の魚価向上を実現し、津久見の特産として知られるようになっている。近年は、漁業資源問題への取組も始めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度に世界的な新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、中止することとした「2.海外における「デスティネーション・ガバナンス」の実践事例の概要把握」のうち、②レジャー需要(都市)および③ビジネス需要(都市)を想定した海外の事例調査は、代替として、国際学会への参加等を通じた情報収集を行うことも検討したが、世界的な感染状況や我が国の水際対策(帰国後の隔離に伴う研究活動への影響)を考慮した結果、実施を見合わせ、COVID-19感染状況に応じた都市での対応状況把握を行うにとどまっている。 また、2020年度に予定していながら実施を見合わせた「4.国内モデル地域における適用可能性検討を通じた、わが国における「観光地ガバナンス」のあり方(方法論)の仮説モデル検証」は、2021年度に国内の複数観光地を往訪して関係者へのインタビューを行い、必要に応じて社会ネットワーク分析の手法なども適用することを想定していたが、やはりCOVID-19の感染状況を勘案した結果、実施を見合わせ、大分県津久見市を対象地として想定し、研究対象とする地域関係者(アクター)の抽出(1次リスト作成)を行うにとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
世界的にワクチン接種が進み、渡航や現地滞在に関する制約が低減している状況を踏まえ、「2.海外における「デスティネーション・ガバナンス」の実践事例の概要把握」については、当初予定していた海外の現地調査の他、引き続き国際学会への参加等を通じた情報収集を行うことも選択肢として念頭に置きつつ、実施可能性を十分見極めた上で適切な方法を取ることとする。 また「4.国内モデル地域における適用可能性検討を通じた、わが国における「観光地ガバナンス」のあり方(方法論)の仮説モデル検証」については、国内の複数地域を対象として、観光地ガバナンスの状況を把握する。その際の主な把握内容としては、観光に関連する活動に関して地域内関係者間で意思決定を行うための組織や体制、仕組みの概要、あるいは観光地ガバナンスの要素(既往研究より抽出)に対する関係者の配慮意識などを予定する。また、社会ネットワーク分析についても、調査実施の可能性を見極めつつ、作業を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、予定していた海外の事例調査や国内の複数観光地における現地調査が行えなかったため。
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