2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Cultural Historical Study on the Formation of "Romantic Image" in Tourism of Germany and Austria
Project/Area Number |
18K11867
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小宮 正安 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (80396548)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 観光学 / 社会史 / 文化史 / 芸術史 / 音楽史 / 地域研究 / 西洋史 / 観光学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ロマンティック街道に代表されるように、ドイツとオーストリアの観光事業において不可欠な「ロマンティック・イメージ」を、ロマン派の高揚やツーリズムの誕生がおきた19世紀から21世紀初頭の現在に至るまで、とりわけ文化史の視点から再検討しようというものである。コロナ禍の影響により海外調査が約2年間にわたって制限されたこともあり、観光政策を通じて浮かび上がるロマンティック・イメージの変遷、並びにそのようなイメージに基づいて作られる各都市や観光街道のイメージが「観光立国」としてのドイツやオーストリアにいかなる形で反映されたのか、という問題についての詳細な分析をおこなった時点で研究は足踏み状態を余儀なくされた。 だが2022年度以降、特に2023年度は海外渡航規制が緩和されたこと、また国内の調査についても柔軟な取り組みが可能になったことを受け、東西冷戦下における「東西」ドイツとオーストリアにおけるマス・ツーリズムの発展と「ロマンティック・イメージ」の世界的展開、ならびに東西冷戦終結後、EU加盟以降の時代における新たな観光政策としての「ロマンティック・ツーリズム」の実体について現地での調査をおこない、イメージ戦略をめぐる日本とドイツ・オーストリアのツーリズムの比較分析をおこなうことで、我が国で展開される、「ロマンティック・イメージ」を通じたドイツ及びオーストリアの観光戦略、そこから演繹される我が国のツーリズムに対する方法論の検討を包括的に実施することができた。
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