2018 Fiscal Year Research-status Report
マルチステークホルダーの視点に基づく観光地競争力構築の有効性と限界に関する研究
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18K11872
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
村山 貴俊 東北学院大学, 経営学部, 教授 (20285654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 孝介 東北学院大学, 経営学部, 准教授 (30453351)
秋池 篤 東北学院大学, 経営学部, 准教授 (90758864)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 観光学 / 観光地競争力 / マルチステークホルダー / 観光振興組織 / 観光地経営 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者・村山貴俊は、観光地競争力に関する先行研究を体系的に理解するために研究ノート「観光地競争力モデルとは何か?」『東北学院大学 経営学論集』(第12号, 2019年1月)を公刊した。そこでは、観光地競争力という分析枠組みを提唱した先駆者とされるCrouch & Ritchieのモデル、Dwyer & Kimのモデルの内容を精査し、その上でそれらモデルを用いた代表的な実証研究としてEnright & Newton、Gomezelj & Mihalicの論文の内容を紹介した。また、我々の実際の観光地でのアンケート調査の経験に基づき、観光地競争力の調査をどのように進めたら良いかということも示した。 さらに現在、観光地ステークホルダーに関する先行研究をレビューした研究ノートの執筆および南オーストラリア大学の共同研究者と共に宮城県内の観光地の観光地競争力をマルチステークホルダーの視角から分析した英語論文の公刊の準備を進めている。後者の英語論文に関しては、オーストラリアの共同研究者からの指摘を基に修正を進めている。 そのほか、東北学院大学経営学部おもてなし研究チーム(著)『増補版 おもてなしの経営学 理論編』(2019年2月)を公刊した。そこには、上掲論文「観光地競争力モデルとは何か?」を教育用に補正した「第9章 観光地の競争力を理解する」を所収した。また共同研究者・松岡孝介は、ホテル業の財務的な競争力を高めるという視点から「第8章 ホテル業における価格設定の基本とホテルチェーンA社の事例」を執筆し上掲『増補版 おもてなしの経営学 理論編』に所収した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ここまでおおむね順調に進展しているが、共同の英語論文をできるだけ早期に公刊したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の重要な目的である観光地の競争力をマルチステークホルダーの視角から測定した英語論文の執筆と公刊にエフォートを集中する。
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Causes of Carryover |
今年度は、アンケート調査の回数が少なくなったため、計画通りに予算を執行することができなかった。他方、文献レビュー論文を執筆するために、文献の購入などに助成金を用いることになった。またアンケートデータの入力では、正確性を重視し、アルバイトではなく外部の専門業者を活用することにした。 次年度には、宮城県の沿岸地域の3箇所の観光地において定量的・定性的な実地調査を行う予定であり、旅費や人件費などを計画通りに執行していけると考えられる。また、観光地ステークホルダーの文献レビュー論文を完成させるため、文献ないし論文データベースの購入に助成金を用いる計画である。
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