2018 Fiscal Year Research-status Report
The Process of Development and the Evolution of Japanese Pop Culture Events
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18K11875
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
川又 啓子 青山学院大学, 総合文化政策学部, 教授 (00306854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 規雄 拓殖大学, 商学部, 教授 (20328008)
三浦 俊彦 中央大学, 商学部, 教授 (60190592)
中川 正悦郎 亜細亜大学, 経営学部, 講師 (20755839)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 観光 / クールジャパン / コンテンツ・ツーリズム / マーケティング / 消費者行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、これまでの研究で導出された、国内外で開催されるジャパニーズ・ポップカルチャー・イベント(JPCE)の形成発展のパターン(新規来場者群を取り込んでいくインタラクション型と、新たな来場者と既存の来場者とのインタラクションを創出するプラットフォーム型)に加えて、新たなパターンを抽出しモデルを精緻化することを目的とする。 平成30年度は、JPCEの有力コンテンツの一つになっているコスプレに注目し、ワールドコスプレサミットが開催される大須商店街と名古屋市役所の担当部署へのインタビュー調査を行い、観光とJPCEイベントのヴェニュー運営者に対するデータを収集した。 11月のスペイン・バルセロナで開催されたSalon del manga(SDM)視察に際しては、主催者であるFicomic社に加えて、出展者である現地出版社、日本のコンテンツをスペイン語圏に紹介しているエージェント、日本カタルーニャ友好親善協会、在カタルーニャ総領事への聞き取り調査を実施することができた。 SDMは元来アメリカン・コミックのイベントとして始まり、マンガを導入することで大きく成長したイベントである。これまでに調査したJPCEとは異なり出版社が主体となり運営しているが、バルセロナにおける日本関連の一大イベントとしての評価を得ており、新たな形成・発展パターンを導出できる可能性が高い。 今年度の成果として特記しておくべきことは、海外の研究者からインタビュー調査を受けたことである。一件目はリスボン大学でコンテンツ・ツーリズム研究を行っている博士課程の大学院生で、二件目は韓国対外経済政策研究院の経済政策担当研究員である。前者は日独産業協会に掲載した英文のエッセイ、後者は2017年に公表した学術論文をきっかけとして来た依頼であるが、JPC、JPCE関連情報への関心が高まっていることの証左ではないだろうか。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時には2018年度は2カ所のJPCEを訪問する予定であったが、経費の関係でスペイン・バルセロナのSalon del manga1カ所に訪問先を絞ることになった。しかしながら、バルセロナでは、主催者、スペイン人出展者ばかりではなく、日本国総領事をはじめとする、バルセロナでの日本人コミュニティの方々へのインタビュー調査を実施することができ、大きな収穫を得ることができた。 欧米における主要JPCE(たとえば、パリのジャパンエキスポやロサンゼルスのアニメエキスポ)は、消費者(マニア)主導型で形成・発展するパターンが多いなかで、出版社主導型でのJPCE形成・発展プロセスを検証するデータを収集できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度前半は、バルセロナで収集したデータの整理を行い、10月にローマで開催されるRomics視察に向けての準備を行う。Romicsでインタビュー調査を行い、得られた知見を元にモデルの構築を行う。
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Causes of Carryover |
研究分担者の拓殖大学・田嶋規雄教授が校務の関係で、スペイン・バルセロナの出張に出られなかったため、次年度使用額に差が発生しました。2019年度のイベント視察で使用する予定です。
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