2020 Fiscal Year Research-status Report
サービス人材の業務能力と問題解決スタイルが顧客価値に与える影響:旅館を中心に
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18K11885
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
姜 聖淑 帝塚山大学, 経済経営学部, 教授 (70511294)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 接客 / 非対面サービス / サービスエコシステム / 文脈価値 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年の研究目的は、サービス提供者の行為がどのように顧客価値に影響を与えるのかについて実証研究を進めることであった。実証調査の一環として長年人々に文化価値が高く認知されている観光地を対象として、文化価値に対する評価が訪問者の観光行動に与える影響を調べ、その調査結果も踏まえながら、顧客価値形成プロセスについて明確にしようとした。しかし、2019年から続く、新型コロナウィルスの拡散が収まらず、”移動”に大きな支障が出た。移動や渡航制限は、観光産業に莫大な打撃を与えた。コロナ禍による人と人の接点に対する価値が変化し、既存の観光サービスにも非対面でのビジネス遂行も必要となり、顧客との接点が多様化している。 このような時代的変化の方向性を確認した上、観光ビジネスにおける顧客価値について再考する。観光現場では、従来のような大量生産的なマスツーリズムではなく、より目に見える、小規模、ローカル観光へと大きく転換している。このように変化に適応する人材のあり方やサービス提供システムの構築が求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症の拡大により、予定していたフィールド調査ができず、さらに研究会や出張をキャンセルせざる得ない状況になり、補助事業期間の延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度研究は、2020年度のように国際的かつ社会的変化によるサービス提供者は交換価値より文脈価値に焦点を与え、日本特有のおもてなしの柔軟な顧客対応の視点などを加え、顧客価値評価に与える要因をより具体化していくため、研究モデルを修正・再構築する。変化する市場に適応するサービス効率・安定と柔軟な顧客対応のトレードオフの視点から、サービス提供の仕組みを検討し、サービス評価を高めるためのサービス提供者と顧客がより個別化かつ柔軟な対応が求められることから、従業員のサービス能力について事例研究を積み重ねる。 本年度の「食と観光」の国際シンポジウムで、新型コロナウィルスにより日本に来られない状況が続くと香港や台湾などで日本関連食やショップが流行る現象があったと報告された。その背景には、日本のモノづくりやサービス提供者が専門的に突き詰めてプロフェッショナル傾向があることが言える。今後、このような現地調査の研究報告に基づき(現地研究者の協力)、付加価値の高い体験を提供できる仕組みと人材の統合的サービスシステムをどのようにデザインしていくのかを提案する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響により、予定していたフィールド調査ができず、実証研究ができなかったため、補助事業期間の延長を申請した。2021年度には、各国の状況を考慮した上で、調査実施が可能となった際には現地調査を実施する。もし、2021年度も移動に制限があれば、非対面調査を実施する。
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Research Products
(2 results)