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2019 Fiscal Year Research-status Report

近代日本の国家主義・民族主義と男性性:近代家族イデオロギーとの接合を中心に

Research Project

Project/Area Number 18K11892
Research InstitutionIwate University

Principal Investigator

海妻 径子  岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (10422065)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2023-03-31
Keywords男性性 / ジェンダー / 近代家族 / 日本史 / イデオロギー
Outline of Annual Research Achievements

今年度は。愛国政治同盟など日本主義労働運動系、原理日本社など国体明徴運動関連団体系、日本主義学生運動や日本浪漫主義運動など純正日本主義思想・文学運動系の、3系統のそれぞれの主要な担い手(個人・団体)とその主張内容について言説分析を行って整理し、また3系統の相互関連についても検討した。
日本主義労働運動系をめぐる言説については、日本における男性職人・肉体労働者層の親方子方関係の変容として説明できる部分と、西欧近代工業技術の習得者たる男性エリート技術者層における日本型フラタニティと近代家族イデオロギーとの複合的形成として説明できる部分とがあり、前近代的労働者層も含む広義の男性労働者層の近代基本における編成の変容と関連付けつつ説明することの有効性を明らかにすることができた。
一方、国体明徴運動関連団体系、日本主義学生運動や日本浪漫主義運動など純正日本主義思想・文学運動系に関しては(1)これらの系統における言説のうち、女性の執筆は近代短歌を中心とした「国文学」の実作に偏っていることが明らかになった。(2)したがって、当初の本研究計画では経綸学盟の結成[1923/大正12年]以降終戦までを研究対象の期間とし、したがって先行研究についても当該期間をあつかったものを収集分析してきたが、それ以前の「国史」や「国文学」形成過程およびそれに対するジェンダー分析についての先行研究もあわせて収集・分析する必要性が明らかとなった。
この「国史」や「国文学」形成過程およびそのジェンダー分析についての先行研究分析については、引き続きおこなうとともに、今年度十分に着手できなかった経綸学盟や日本社会主義研究所など国家社会主義理論系と、愛郷塾など農本アナーキズム系について、次年度分析をおこなう。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は、当初の計画にはなかった「国史」や「国文学」形成過程およびそのジェンダー分析についての先行研究分析の必要性が明らかになり、経綸学盟や日本社会主義研究所など国家社会主義理論系と、愛郷塾など農本アナーキズム系の分析に遅れが出たが、「国史」や「国文学」形成過程およびそのジェンダー分析は、いずれ愛郷塾など農本アナーキズム系の分析を深める際には必要になる作業であり、トータルの研究計画としては、大きな遅れを生じさせているものではないと判断できる。

Strategy for Future Research Activity

「国史」や「国文学」形成過程およびそのジェンダー分析についての先行研究収集および経綸学盟や日本社会主義研究所など国家社会主義理論系と、愛郷塾など農本アナーキズム系の言説史料収集については、研究補助者の雇用も視野に入れつつ、機能的に実施する。

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Published: 2021-01-27  

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