2022 Fiscal Year Annual Research Report
Collection of solutions and actions for difficulties and troubles among LGBT people
Project/Area Number |
18K11893
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
石丸 径一郎 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (30435721)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | LGBT |
Outline of Annual Research Achievements |
5年間の研究期間の最終年度である今年度も、新型コロナウイルスの影響により、国内外での出張がしにくくなり、学会の現地開催中止とオンライン開催も多く、研究活動の計画はやや変更を行った。学会発表は当初の計画よりも減らすこととし、論文発表が主となった。 LGBTQにまつわるトラブルや困難への対応や支援として、多岐にわたる領域やトピックについて取り組んだ。具体的には、LGBTQに対するフォビア(嫌悪)、LGBTQへの心理支援・メンタルケア、児童思春期のトランスジェンダーの支援、LGBTQの生きづらさ、LGBTQの中でもこれまであまり知られていなかったアセクシュアル・アロマンティックの生活やアイデンティティ、ソーシャルメディアを用いた心理支援の試み、関連するマイノリティとしての統合失調症をもつ人の労働への適応などである。 このような多岐にわたる取り組みの中でも、次の2点は大きな成果であると考えている。まず、日本においてはほとんど研究のないアセクシュアル・アロマンティックである人々の心理について研究を行ったことである。どのような性別に対しても性的魅力を感じない、または恋愛感情を感じない人々であるが、愛の強調や、結婚・パートナーシップを標準とする規範の中で、特有のストレスを経験している可能性があった。また、Slackのようなソーシャルメディアを用いて、比較的厳密なランダム化比較試験のデザインに基づき、心理支援の効果を確認することができたため、LGBTQのメンタルケアにも応用できる可能性を大いに見出すことができた。
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Research Products
(9 results)