2019 Fiscal Year Research-status Report
Gender fairness in modern Iran-From the analysis of the family protection law
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18K11900
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
森田 豊子 鹿児島大学, グローバルセンター, 特任准教授 (10791113)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | イラン / ジェンダ― / イスラーム / 家族法 / 子どもの権利 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は 1)2019年5月11日、12日に秋田で開催された日本中東学会第35回年次大会において「ムスリム社会における弱者の権利:子ども・病者・貧困者」において、「現代イランにおける子どもの人権とイスラーム」についての報告を行った。ここではイラン家族法に続いて国会で提出された「子どもの保護法」についての考察を報告した。 2)2019年10月19日に、新潟で開催された日本国際政治学会の部会「国際政治学における地域研究の意義を再考する」で「バイヤールによるイラン革命再考」についての報告した。ここでは、細かな事実の積み上げから地域の政治や社会について考察するという方法を取るバイヤールが、どのようにイラン革命と、その後のイランの状況について考察しているのかについての発表である。 3)2019年11月13日から23日までイランのテヘランおよびイスファハンで調査を行った。今回の調査では、テヘランでは貧困で学校に通うことが難しい子どもを受け入れて職業訓練などを行っているNGOでの調査、イスファハンでは児童養護施設でのインタビュー調査の他、イスファハンで実際に家庭裁判所事案を担当している弁護士2名とのインタビューを行い、イランの家族法が実際にどのように運営されているのかについて話を聞くことができた。さらに、イランにおける比較教育学会にも参加することができ、現在のイランの子どもの教育についての知見を深めることができた。 4)2019年11月末には編著書である『イスラーム・ジェンダースタディーズ1 結婚と離婚』(明石書店)を出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年は日本国内における学会報告を2つ行うことができたほか、これまでの研究成果を他のムスリム社会の研究者たちとともに一冊の本として出版することができた。 さらに、イランにおける調査を行い、イランで比較教育学の学会にも参加することができた。イスファハンでは、家族法を扱う弁護士とつながることができた上、大学教育学部の教授たちとの人脈作りに成功し、今後の共同研究への道も開けた。
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Strategy for Future Research Activity |
【2020年度予定】 2020年2月に行うはずであった、日本に住むムスリムの家族についての報告が今年度行われることになった。さらに、8月には、中東地域の研究者が集まり、ポーランドクラクフにおいて行われる研究会で報告する予定になっている。 さらに、本年度もイランで家族法を扱っているイランの弁護士などへの調査を行い、イラン家族法の運用実態について調べる予定ある。この調査の結果を通じて、イランひいてはムスリムの家族法運用における特に子どもの権利の問題点をまとめて、報告したいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスによって2020年2月に行われるはずであった研究会や調査研究が中止になったことなどにより、使うことができなかった使用額が生じた。2020年度はイランでの調査に加えて国際学会での報告などが予定されており、そのための準備などに使用する予定になっている。
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Research Products
(3 results)