2022 Fiscal Year Research-status Report
アジアの冷戦と女性たちの経験ー転換期における地域・アクターの視点から
Project/Area Number |
18K11904
|
Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
朴 正鎮 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (10712242)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 美恵 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (00774142)
小島 敬裕 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (10586382)
三澤 健宏 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (20297112)
坂元 ひろ子 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (30205778)
山下 靖子 津田塾大学, 国際関係研究所, 研究員 (50598547)
水谷 明子 津田塾大学, 国際関係研究所, 研究員 (60360129)
村上 尚子 津田塾大学, 付置研究所, 研究員 (80624882) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ジェンダー / アジア / 移動 / 冷戦 / 国際関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、冷戦初期のアジア各地域(沖縄、朝鮮半島、中国、日本、ミャンマー)の女性たちの経験に焦点を当て、各地域・地域間での国境を越える移動を伴った生活史・実態について、個人史、インタビューを通じて明らかにしようとするものである。2022年度は、研究期間を延長し研究を総合的にまとめる予定であったが、COVID-19の感染状況により、計画されていた研究調査、研究会、公開シンポジウムなどを予定通りに行うことができなかった。年度中に計画した調査が、VISAの発行遅れなどにより、断念せざるを得ないこともあった。しかし、メールによる調査の準備や、オンラインを通して研究会を行うことができた。特に、(1)冷戦の形成が、アジアにおける女性たちの移動の経験、その地域における国際関係とどのような関わりを持ったのか。(2)冷戦初期における女性たちの経験は、それぞれの地域のジェンダー認識にどのような影響を及ぼしたのか。(3)それぞれの地域の文脈と比較の視点を活かし、地域的特徴を横断的に分析・議論する上で、どのような方法論的課題・可能性があるのか。(4)国際関係とジェンダーの視点より、女性たちの経験を証言・映像などから確認し、共有し、記録していく上で、どのような課題があるのか。(5)移動によって生じた女性たちの課題が、冷戦初期のそれぞれの地域における政治・経済・社会の課題とどのように関わっていたのか。(6)アジアという地域横断的に考えた場合に、各課題がどのように有機的に連関しているのか。(7)その後の国際関係の課題とどのように結びついているのか。という全体的論点に向けての認識を深めることができた。また、関連する他の研究会との共催による研究会や研究発表の機会を持つことによって、課題を整理し、調査・分析・考察上の論点を明確化しながら、分析および考察を進めることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度も前年度に続くCOVID-19感染症の影響により、計画していた研究調査・研究会を行うことができなかった。実際に計画通り対象地域で調査することが困難であったり、V I S Aの発行が遅れたり、円安や渡航費の高騰で調査費用が増額したためである。その一方、各研究メンバーは、それぞれが課題としている冷戦初期のアジア各地域(沖縄、朝鮮半島、中国、日本、ミャンマー)における研究状況を整理し、メールでの調査準備やオンラインでのインタビュー、研究会を行ってきた。しかし、共同研究全体として、研究成果を広く共有するシンポジウム開催や論文集発行など研究発表や包括的な討論の機会を持つことができなかったため、更に一年の研究期間を延長し、全体を総合的に検証し統括することとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の進め方については、以下のように予定している。2023年度は、研究メンバー各自それぞれの研究課題に向けて、調査・研究を行い、研究発表を行う。その機会として数回の研究会および全体統括としてシンポジウムを開催する。COVID-19感染症の状況によっては、やり方の検討が必要かもしれないが、この間の経験を活かして、メールによる準備やオンラインでの調査および、可能な限り会場での対面を取り入れたハイフレックス式の研究会・シンポジウムを実施する。共同研究初年度から計画されていた、本共同研究と接点のある課題を研究している沖縄の女性史研究者をコメンテイターなどで招いての研究会開催についても、検討する。また、年度中に数名の研究メンバーそれぞれの研究分野における学会・研究会などでの報告・発表が計画されている。本共同研究内外からのコメントとフィードバック、研究交流を更に活発にしていくことにより、各研究の課題と同時に本共同研究における議論の進展を目指している。研究メンバーそれぞれの研究課題を研究報告・発表・論文執筆の形でまとめられるよう、また同時に、本共同研究の総括に向けて、各研究・論考についての報告・質疑・討論を行う研究会を、2か月に1回程度の頻度で行う。更に、次期共同研究の課題として、これらの研究会での報告およびディスカッションを記録し、論文集を作成することを具体化していく。
|
Causes of Carryover |
2022年度も前年度に続くCOVID-19感染症の影響により、計画していた研究調査・研究会を行うことができなかった。実際に計画通り対象地域で調査することが困難であったり、V I S Aの発行が遅れたり、円安や渡航費の高騰で調査費用が増額したためである。2023年度は、研究メンバー各自それぞれの研究課題に向けて、調査・研究を行い、研究発表を行う。その機会として数回の研究会および全体統括としてシンポジウムを開催する。COVID-19感染症の状況によっては、やり方の検討が必要かもしれないが、この間の経験を活かして、メールによる準備やオンラインでの調査および、可能な限り会場での対面を取り入れたハイフレックス式の研究会・シンポジウムを実施する。そのための予算として計画している。
|
Research Products
(12 results)