2018 Fiscal Year Research-status Report
性分化疾患女性のセクシャル・アイデンティティ再構築にむけた看護支援モデルの提案
Project/Area Number |
18K11905
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
石見 和世 帝京大学, 医療技術学部, 講師 (90784843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住吉 智子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50293238)
位田 忍 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), その他部局等, 副院長 (80177500)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 性分化疾患 / 原発性無月経 / セクシャリティ / アイデンティティ / 性自認 / 思春期 / 病気説明と理解 |
Outline of Annual Research Achievements |
性分化疾患(以下、DSD:Disorders of sex development)に伴う原発性無月経の女性は、2次性徴期が発現せず思春期以降に突然、DSDと診断や告知を受けることがあり、本人と家族は心身面で長期にわたりQOLの課題が生じる。医療的な支援体制が不十分であることに加え、DSDの疾患特性より、周囲に明かさずに生きる人も多く、患者自身が疾病を理解し現実を受け入れるのには長い年月を要する。 そのため本研究は、DSDに伴う原発性無月経の女性が、診断や告知を受けた後の適応へ向かうプロセスを明らかにし、セクシャル・アイデンティティの再構築に向けた看護支援モデルの提案を目的とする。 2018年度は、 DSDに伴う原発性無月経女性のセクシャル・アイデンティティの葛藤と再構築プロセスの解明に向け、心理的葛藤と適応に至るプロセスとその影響因子を明らかにすることにフォーカスした。国内外の文献検討の結果、本研究においては質的帰納的研究の必要性が明らかとなった。対象者は、25歳以上の病名告知を受けているDSD原発性無月経女性とし、医師やサポートグループの協力を得て選定および紹介を受け、十分な倫理的な配慮のもと研究協力の同意を得るよう勤しんだ。現時点では、同意が得られた13名を対象に半構成的面接を行い、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにて分析を行っている最中である。 また、他の質的帰納的分析方法にて、医療受診で受けた体験について考察し、医療者側の課題と支援の方向性への示唆を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象予定数の約半数よりデータ収集ができており、併行して分析を行うことができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、DSDというセンシティブな疾患特性から、研究対象者のリクルートには難渋している。予定対象者数を目指すうえで、新たな医療施設にてリクルートを進めていく予定であり、当該施設の倫理審査の手続きを随時行っていく。
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Causes of Carryover |
研究協力者への謝金の請求ができていないため。
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