2021 Fiscal Year Research-status Report
Labour and gender in postwar Okinawa
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18K11912
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Research Institution | Okinawa University |
Principal Investigator |
成定 洋子 沖縄大学, 経法商学部, 教授 (60637388)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ジェンダー / 売買春 / 沖縄島 / 米軍 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も、2020年度に続き、パンデミックの中、予定していた米国における調査研究を再び延期せざるを得なかったことから、2018年度・2019年度に引き続き、労働とジェンダー、労働・ジェンダーと表象に関する理論等に関する先行研究の整理・検討、および戦後沖縄における労働とジェンダーに関する新聞資料や行政資料、社会運動関連資料などの収集・分析を行うとともに、下記二点の作業を行った。第一に、2019年度に引き続き、1940年代後半における、米軍占領初期の沖縄本島の占領軍を対象とした売買春とそれらに関わる性病管理を明らかにするために、ポール・スキューズ文書(沖縄県公文書館所蔵 エドワード・フライマス文書に所収)の翻訳作業の第二弾として、"Prostitution in Sukiran Area, 24 Paul H. Skuse Papers"(1947年2月14日)の翻訳・解説を行った。本資料を通して、占領軍がどのように地元の警察と協力して売春や売春斡旋に関わる人々を捜査対象としたのか、また、これらの売買春をめぐる捜査はどのように実施されたのかなどを具体的に明らかにすることで、米軍占領初期の沖縄本島における売買春と性病管理をめぐる米軍布告の成立過程と背景の一端を可視化した。第二に、2020年度に引き続き、米国における大学付属の労働研究教育センターの一つであるUCLAレイバーセンターとの交流において、その歴史的・現在的かつ理念的・実践的な取り組みを検証することを通して、平和運動と労働運動をつなぐ結節点としてのレイバーセンターの役割や意義、影響や文脈について具体的に検討した。なお、2020年度同様、米国のレイバーセンター調査研究を行う予定を昨今のパンデミック事情により延期することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度からのパンデミック状況により、海外や沖縄県内外での調査研究が困難となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2019~2021年度の研究活動を継続しつつ、今後、パンデミック状況を確認しながら、海外・沖縄県内外における調査研究の実施可能性を見極めていく予定である。2022年度の海外出張等が難しい場合は、オンラインによるシンポジウムなどの研究方法も視野に入れて、研究内容・計画を随時柔軟に変更することも検討していきたい。
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Causes of Carryover |
パンデミックのため、出張等を実施することが困難となり、研究計画を変更せざるを得なかったため。
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