2018 Fiscal Year Research-status Report
極短パルス核破砕中性子源を目指したレーザー荷電変換による陽子ビーム制御の開発
Project/Area Number |
18K11928
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
武井 早憲 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究主幹 (20414609)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | パルス核破砕中性子源 / 高出力レーザー / 光周回リング / レーザー荷電変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、周回している高出力レーザー光を負水素イオンビームに照射し、レーザー荷電変換により周回数に応じた時間構造を持つ水素イオンビームを切り出すことを目指し、高出力レーザーと光周回リングを組み合わせたレーザー光学系を開発する。 このため、平成30年度は、除振台付き遮光ボックス内に設置された高出力レーザー(基本波長:1064nm、パルス繰り返し数:25Hz、エネルギー:1.6J/Pulse、パルス時間幅:4.8ns)及び光周回リング(光路長:2m、周回数:4回)に、周回によるレーザー径の拡大を防ぐ収束用レンズを2枚設置できるかどうかを検討し、それらを設置した。このとき、レーザー光の戻り光が高出力レーザーに影響を及ぼさないような光路を設定した。 その後、レーザー光を光周回リング内に周回させ、レーザー光の位置、エネルギーを測定しながら、レーザー光路の位置精度がレーザー荷電変換試験で既に達成した位置精度(±50μm程度)と同程度となるように光学部品を調整した。このとき、レーザー光の状態を測定する計測器、及びレーザー光路の位置を自動制御する自動光路調整ユニットは既設を使用した。この調整により、レーザー光を収束、拡大させながら±50μm程度の位置精度で、レーザー光を周回させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、レーザー光を収束、拡大させながら±50μm程度の位置精度で、レーザー光を周回させることができ、研究の進捗は現在のところ、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度及び2年度には、平成30年度に整備した光周回リングを用いて、長時間にわたるレーザー光路の位置安定性について、試験データを取得する。このとき、目標とする試験時間として、高出力レーザーのフラッシュランプの寿命(連続発振で333時間)とJ-PARCリニアックの運転サイクルを考え、連続7日間(168時間)とし、この試験を数回実施する。 また、光学部品(ビューポートなど)が高出力レーザー光によって損傷を受けない条件を系統的に調べるため、レーザーに対する耐力(レーザー耐力)が異なるビューポートや焦点距離の異なる収束用レンズを購入し、耐久試験を実施する。
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Causes of Carryover |
収束用レンズなどの光学部品について、当初の想定額より安価で購入できたため、次年度の使用額が生じることとなった。次年度の使用額は、令和元年度の研究費と合わせて、光周回リングを用いた試験に係る費用等に使用する。
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