2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research and Development of LET-independent Dose Distribution Imaging Detectors for Heavy Ion Beams
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18K11941
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤原 健 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (90552175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古場 裕介 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 放射線防護情報統合センター, 主任研究員(定常) (10583073)
三津谷 有貴 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (70784825)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 重粒子線治療 / 高LET / 粒子線 / ガス検出器 / MPGD / 蛍光ガス / Glass GEM / GEM |
Outline of Annual Research Achievements |
重粒子線治療のQuality Assurance (QA)には主に電離箱(走査型、アレイ型)を用いた線量分布測定が一般的に使用されている。これは重粒子線のブラッグピーク付近の高LET領域では、その高いエネルギー密度ゆえに、気体検出器以外の放射線検出器ではクエンチ現象と呼ばれる効果により、応答の線形性が失われるためである。一方、電離箱には測定時間、空間分解能に課題があり、線形性を維持したまま測定の効率化と高空間分解能化という2つの点で改善が求められている。特に近年、治療実績が向上しているスポットスキャニング治療では、空間的に急峻な線量変化を与えられる反面、アレイ型の電離箱の空間分解能ではその急峻な変化に追従できず、治療計画とQAの測定結果に差異が生まれることがあり、問題となっていた。そこで本研究では、スポットスキャニングに代表される線量分布の急峻な変化に追従するのに十分な空間分解能と応答速度を有しつつ、線量測定においてLET依存性がなく線形性のある線量分布測定システムの開発を目的として検出器開発に取り組んだ。我々は、GEMと呼ばれる増幅型ガス検出器と蛍光ガスに着目して、ガスの電離と二次的な発光を組み合わせることで、電離箱同様、LET依存性が極めて低く、かつ高い空間分解能を有する検出器を開発した。HIMACでの評価実験の結果、本研究で開発した線量計は重粒子線治療の線量測定に要求される簡便な測定法、少ない LET 依存性といった性能を満たすことが示された。
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