2019 Fiscal Year Research-status Report
動植物を投影対象とし形状と動きを考慮したプロジェクションマッピングの作成支援研究
Project/Area Number |
18K11956
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森本 有紀 九州大学, 芸術工学研究院, 助教 (20553754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 浩史 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (20512627)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 動的プロジェクションマッピング / 変形 / 動植物 / 画像処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に二つの実験を行った。一つは葉を対象とした追跡手法の研究開発、一つは蚕を対象とした追跡手法の研究開発である。 葉の追跡手法では、前年度までに開発した2つの追跡手法に加え、更にオプティカルフローを用いた手法を開発し、それまでの手法と比較実験を行った。実験によって、この手法が最も高速かつ形状の動きや変化にも頑健であった。 また、葉を人の手などで遮蔽した場合に、形状の追跡が難しいが、そのような場合に葉のどの部分が遮蔽されているか判断して、投影対象を補正する手法を開発した。前回までの手法ではマーカーレスの画像処理手法によって手袋などを付ければインタラクションが可能であったが、この遮蔽の対応と追跡手法の安定化により本年度は素手でのインタラクションができるようになった。 蚕を対象とした追跡手法の研究では、まず、葉で用いていた追跡手法を適用した。また、追跡手法を蚕用に改良するなどを行った。葉を追跡する3つの手法では、本年度開発したオプティカルフローによる手法がもっともよく蚕を追跡でき、他の2手法では全くうまくいかなかった。しかし、オプティカルフローによる手法でも、蚕が大きく動き変形した場合には追跡は困難であることがわかった。この他、蚕に対するエフェクトの投影実験などを行った。実験は特に問題なく、うまく投影することができた。この他、蚕の行動特性を得るために、一旦RGBカメラによる色マーカーを使った動きの解析の実験を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は葉以外に、花や蚕などにも対象を広げて研究を行うことができた。 葉以外の対象に対しては、追跡手法としてはまだよい成果は得られていないが、他の手法を検討するなど、次の実験につなげられた。現在、農学部や生物学分野との連携を開始しており、近いうちによい成果が期待できる。 葉に対する追跡に関してはこれまでよりよい手法を開発することができ、素手でのインタラクションが可能となった。また、国際学会での展示発表や論文誌への投稿を行うことができた。 どちらも大きな成果を出すところまで至らなかったが、上記のように着実に研究を進めており、計画としてはおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、葉と蚕に焦点を当てて、研究を行う。 葉の研究では大規模な投影の実現のため、葉の数が増えた場合の高速化、そして、葉同士が干渉し、遮蔽が大量に起こる場合の追跡方法について検討する。 蚕の研究では、追従精度を高めるため、頭などのパーツ毎に追従を行い、それらの結果を補正する方法を検討する。また、蚕の形状を3Dでとらえ、エフェクトの投影を行う。また、蚕の行動特性を解析し、追従の予測に利用するなどを検討する。
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Causes of Carryover |
予算の性質上、余れば次の年度に持ち越せると考え、年度内に前倒し支払い請求を多めに行ったため、余りが生じた。前倒し支払い請求を行ったのは、計算機などの機材の調達などを早めに行った方がよいと判断したためである。
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Research Products
(1 results)