2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on marketability rediscovery of architectural conversion through profitability evaluation
Project/Area Number |
18K11962
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
宮本 佳明 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (10278559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 一人 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 助教 (80303931)
鎌田 嘉明 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 研究員 (80817982)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コンバージョン / 採算性 / 市場性 / リノベーション / 保存 / 再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、コンバージョン (建物の用途転用)の手法に、採算性という観点を加えて理論構築を行うことにある。令和2年度は、これまでに竣工あるいは進行中の実務プロジェクトについて、建物所有者の属性(公共か非公共か) と利用対象者の属性(特定か不特定か)に基づく4分類毎に、コンバージョン手法自体のアイデアを含め具体的に計画・運営の参考として活用されることを目的に、採算性の予測算定という形で評価を行った。 コロナ禍の影響を受けて一部のプロジェクトのスケジュールに遅れが生じたことは否めないが、特に以下のプロジェクトについて具体的な進展があった。 タイプI(公共×特定)のうち、旧八幡市民会館(福岡県北九州市)については、公募型プロポーザルを経て市立埋蔵文化財センターへとコンバージョンする基本設計業務の設計者に選定され(東畑建築事務所との設計共同企業体として)、旧市民会館の設計者である村野藤吾の意匠と理念を活かしつつ一部に新たな創作も加えて具体的に改修設計を行った。 タイプIV(民間×不特定)のうち、宝塚ホテル旧館(兵庫県宝塚市)については、DCF法を用いた客観的な採算性評価を示しながら所有者に保存活用の有用性について提言を行ったが、残念ながら旧館本体の解体を避けることは叶わなかった。しかしながら市民の「場所の記憶」を後世に伝えるべく、基礎等の下部構造を公開空地の床パターンとして保存活用することを宝塚市および所有者(デベロッパー)に対して提案し、2020年度末時点においてなお協議を行っているところである。 なお予定していた学会や海外を含む招待講演等での発表はコロナ禍により全て中止となった。
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