2022 Fiscal Year Research-status Report
態度形成のプロセスに着目した 教育者向けデザイン学習プログラムの開発
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18K11967
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
上平 崇仁 専修大学, ネットワーク情報学部, 教授 (20339807)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | デザイン態度 / デザイン思考 / ワークショップ / コ・デザイン / 情報教育 / 情報デザイン / 協働デザイン / プロトタイピング |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は5つの研究計画の中の、3)教育者に対する「デザイン態度」に関する視点の提案について、5)の普及活動の機会を組み合わせながら言語化に取り組んだ。 ■活動1:単著『コ・デザイン―デザインすることをみんなの手に』(NTT出版/2020年12月)に収録された、第6章の「デザイン態度」に関する議論をもとに、情報教員への研修(千葉県,8月)および一般企業(名古屋市,9月 / 東京都,3月)で講演を行い、本研究の知見を還元することができた。 ■活動2:これまでの研究の議論で、態度は言語化されない要素も大きく、概念化してもテキストや動画のようなメディア経由では転移しにくいため、どのような方法がありうるのかが課題となっていた。本年度は、この点に焦点を当てたワークショップ「Ultra Local Lantern Project」を3回(東京都,8月 / 滋賀県,9月 / 東京都11月)実施した。規格化された素材ではなく、その地域に固有の素材を用いて、専門家と人々がいっしょにランタンをつくり、つくった灯りの元で語り合うものである。考察の結果、目の前の専門家(デザイン態度を強く発揮する人)の言動によってもたらされる「驚き」の感情によって影響を受けることがわかった。いわば「面白がっている人を間近で見るのが面白い」ということである。ここから、目の前でいっしょにつくるプロセスを感じることができる環境の設計が重要であるという示唆を得た。 ■活動3: 大手通信会社とITスタートアップ会社の協力を得て、東京都内の高校にて実験的な連続授業を行った。校舎の中で問題発見と解決のためのプロトタイピングを行うものであるが、エンジニアリングとデザインの統合は、まさしく態度によって為されるものである(成果1)。 ■活動4: これらの活動をもとに研究者間で議論を行い、最終的なプログラムについての検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度も感染症の影響は大きかったが、計画していた千葉県にて「情報1」の情報デザイン領域に関する高校の情報教諭向けの研修会において本研究の知見を還元することができた。また、3回の対面ワークショップを実施し、研究を進めることができた。これまで一般的に知られてきた「デザイン思考」で言語化されていなかったことを補足し、デザイン態度の概念の普及に対しては一定の貢献ができたと考えられる。 しかしながら本年度は最終年度であり、これまでの5年間の研究成果をまとめた「教育者向けデザイン学習プログラムの開発」にむけてアウトプット(冊子制作)までは到達できず、研究延長を申請することとなった。以上をまとめると、総合的に判断して「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、これまでの5年間の研究計画の最終年度を終え、さらに一年延長して取り組むものである。ここまで取り組んできた、「1)デザイン態度の形成プロセスに関する調査」と「 2)教育者の学習コンテクスト調査」、「3)教育者に対する『デザイン態度』に関する視点の提案」を統合しながら4)の「教育者向けデザイン学習プログラムの開発」にむけてアウトプットの検討を行う。2023年度は、以下の2点に注力して、まとめと言語化を行う。 ■計画1)これまでの活動のふりかえりとして有識者との対談を行う。高校教諭が意識すべきポイント、企業でのデザイン態度育成ワークショップの事例から見えてきたポイント、批判的観点と今後の展望などを中心に議論を行い、テキスト化を行う。有識者は、これまでこのテーマに関して議論を重ねてきたデザイン研究者、ワークショップデザイナー、高校教諭、写真家などを想定している。(2023年前半期) ■計画2)これまでの知見をまとめた高校教員向けの資料を制作する。千葉県での研修での講演の書き起こし、対談記事(計画1の成果)、ワークショップ事例、教育者が持つべきデザイン態度の育成に関する要点についての考察を行い、提言を行う。2018年度に作成した冊子「すべての人がデザインを学ぶ時代に向けて」の続編を想定し、同じフォーマットでの少部数の冊子を予定している。またデジタルコンテンツとしてオンラインで閲覧できるようにする。(2023年後半期)
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Causes of Carryover |
長引く感染症の影響によって、大学のオンライン授業の対応や授業内容の再検討のため、研究活動を優先することはできなかった。これまでのおこなった活動をまとめ、すこしでも有用な成果物を作成する時間を必要としたため研究年度の延長を行った。2023年度の研究資料購入、原稿作成アルバイト代、成果物を複製するための予算に充当する予定である。
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Research Products
(5 results)