2019 Fiscal Year Research-status Report
メディア上にみられるクローン病に関する医療情報の質の評価
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18K11980
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北 浩樹 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 助教 (40323092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 喜孝 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (20250780)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | クローン病 / メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
クローン病とは全消化管に炎症性の潰瘍が生じる難病である.治療に際しては,医療提供者(医師など)から患者へクローン病の実態や治療法などの医療情報の提供を行う.その一方で,患者は自分自身でもメディアから医療情報を直接取り込んでいる.このようなメディア上の医療情報には科学的根拠を欠くものや個別具体的には適用できない治療法などがあり,実際の医療現場で混乱を来たすことがある.そこで,専門的観点からみたメディア上におけるクローン病に関する医療情報の検証が必要と考えた.本研究ではメディアとして新聞をとりあげてクローン病に関する新聞記事の検索を行い,メディアを通じて大衆へ直接提供されるクローン病に関する医療情報の実態を明らかにする.さらにクローン病に関する医療情報が適切に報道されているかの検証を行った. 令和元年度は研究対象紙として読売新聞,朝日新聞,毎日新聞をとりあげ,各々の新聞記事検索ソフトであるヨミダス歴史館,聞蔵II,毎索を用いてクローン病に関する新聞記事を検索し研究対象とする記事を確定した.確定に際しては,記事中に単に「クローン病」の用語が含まれているだけのものは除外し,具体的にクローン病について記述されているものに限定した.その対象記事数は,読売:244件,朝日:292件,毎日:49件であった. 本年度では昨年度における検討に加えて,各新聞記事の比較検討と医療情報の質の検討を行い,さらにテキストマイニング(AIテキストマイニング,User Local社)の手法による検討も行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度では研究対象となる新聞記事を確定した.さらに具体的,かつ統括的な解析を行うことを目的にテキストマイニングの手法を取り入れ,とくに定性的な新聞記事内容の評価を可視的に行うことが可能となり,新聞記事の調査解析がより円滑に可能となったため.
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Strategy for Future Research Activity |
記事内容の解析に際して,テキストマイニングの導入をさらに検討する.
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Causes of Carryover |
テキストマイニングを行うに際して,テキストマイニング文章解析ソフトを購入し行う予定であったが,当面,ウェブ上の無料ソフトにて解析を行ったため.また新聞記事の検索は新聞記事データベースである「日経テレコン21」を使用予定であったが,本ソフトの検索費用は対象となる検索記事件数に依存するが,当面は各新聞社が提供する記事検索ソフト上にて記事を収集したため. (使用計画) 上述の二つの理由により次年度使用額が生じたが,次年度においては予定通り有料検索・解析ソフトの購入,および使用量に充当する予定である.
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