2018 Fiscal Year Research-status Report
メタデータスキーマを基礎とした持続的なメタデータ生成支援と流通支援環境の構築
Project/Area Number |
18K11984
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
永森 光晴 筑波大学, 図書館情報メディア系, 講師 (60272209)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | メタデータ / メタデータスキーマ / セマンティックWeb / Linked Data / Linked Open Data |
Outline of Annual Research Achievements |
セマンティックWeb技術とLinked Open Data(LOD)の普及に伴って,多種多様なコミュニティが作成したメタデータが LOD データセットとしてネットワーク上に公開されるようになってきた.昨今では,政府,地方自治体,図書館,博物館などが作成したLOD データセットが,様々なサービスやアプリケーションの中で利活用されている.しかしながら,LODプロジェクトの活動が始まってから10年が経ち,LODデータセットの中にはあまり利活用されていないものや,更新が行われずメタデータの情報が古くなってしまったもの,また公開が停止されデータセットにアクセスができなくなってしまったものも少なくない.そこで本研究では,メタデータを長期に渡って公開し,利活用性を高めるためには,メタデータのライフサイクル(スキーマ設計,メタデータ作成,メタデータ利活用,維持・運用)を支援する必要があると考え,以下の2つの目標を設けて研究を進めた. (1)メタデータスキーマを基礎とした既存リソースからの持続的なメタデータ作成支援モデルの提案 (2) LODデータセットの利活用性向上を目的としたメタデータスキーマを基礎とするメタデータ公開支援モデルの提案
平成30年度は,(1) メタデータ抽出のためのメタデータスキーマと既存リソースのマッピング手法の提案,(2) メタデータスキーマを基礎とするメタデータ理解支援モデルの検討をおこなった.また,(a)と(b)に基づいた既存リソースからのメタデータ抽出と理解支援のためのプロトタイプを作成し,評価をおこなった.プロトタイプでは,対象とするリソースの追加と修正にあわせた持続的なメタデータ作成機能を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は,目的としていた以下のポイントに充填を置いて研究を進めることができた.
(a) メタデータ抽出のためのメタデータスキーマと既存リソースのマッピング手法の提案:メタデータスキーマとリソース中の関連する項目を結びつけるための抽出ルール記述形式の検討をおこなった.本手法の検討は,筆者がこれまでに開発したメタデータスキーマとXPath式を利用したウェブページからのデータ抽出方式に加え,複数のリソース(ウェブページ)に記述されている情報を集約してメタデータを生成する手法の検討をおこなった.平成30年度はHTML形式を対象に検討を進めた. (b) メタデータスキーマを基礎とするメタデータ理解支援モデルの検討:LODデータセットの利活用性を向上させるために,メタデータに関する知識が少ない利用者がメタデータ記述に使われている語彙やスキーマを理解するための要求要件とその提示方法について調査分析をおこなった.具体的には,LODデータセット中のクラス間関係を記述に用いられているプロパティを中心に分析をおこなった. (c) プロトタイプの作成と評価:(a)と(b)に基づいた既存リソースからのメタデータ抽出と理解支援のためのプロトタイプを作成し,評価をおこなった.プロトタイプでは,対象とするリソースの追加と修正にあわせた持続的なメタデータ作成機能を検討した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度では,平成30年度の評価に基づき,メタデータ抽出のためのマッピング手法の改善をおこない,限定した利用者にシステムを公開する.平成32年度では,これまでの評価に基づいて,メタデータ抽出手法とシステムの改善をおこない,利用者を限定せずにシステムを公開し運用する.平成31年度は以下のポイントに重点を置いて研究を進める.
(1)マッピング手法の改善:平成30年度での評価に基づき,メタデータスキーマと既存リソースのマッピング手法とシステムの改善を図る.平成31年度は,HTML形式に加えて,RDBや表形式で蓄積されたリソースを対象に改善を進める. (2)メタデータスキーマを基礎とするメタデータ公開支援モデルの提案:平成30年度でのメタデータ抽出モデル検討およびプロトタイプシステムでの評価に基づき,メタデータの生成から公開までの一連の過程を支援するためのモデルの提案と,そのためのシステム構築をおこなう. (3)システム評価:(1)と(2)において開発したシステムをインターネットに公開し,利用評価をおこなう.平成31年度は,まず限定された協力者に評価を依頼する.
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Research Products
(4 results)