2018 Fiscal Year Research-status Report
日本の国立大学における大学図書館職員の採用試験制度に関する総合的な研究
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18K11985
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大庭 一郎 筑波大学, 図書館情報メディア系, 講師 (50282372)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 図書館情報学 / 人的資源管理 / 大学図書館 / 図書館職員 / 採用試験制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
国立大学の附属図書館は、長年、図書館職員を採用する際に独自の採用試験を課すことによって、司書資格の有無にかかわらず、学術情報の流通に携わる有為な人材を選考・採用してきた。本研究の目的は、日本の国家公務員制度と国立大学の図書館職員制度を踏まえた上で、国立大学における図書館職員の採用試験の歴史、採用試験の概要をまとめ、国家公務員採用Ⅱ種試験「図書館学」と国立大学法人等職員採用試験「事務系(図書)」の試験問題を分析し、大学図書館職員の採用・選考過程や採用時点で求められる専門的知識について分析・考察することである。 平成30年度は、第2次世界大戦以降の日本の国家公務員制度、および、国立大学の図書館職員制度の発展を踏まえながら、図書館職員の採用試験制度について、文献調査(人事院関連の灰色文献の網羅的収集)を行なった。 その上で、国立大学図書館職員の採用・選考に関する基礎研究として、国立大学における図書館職員の採用試験の歴史、試験の概要をまとめた上で、人事院による国立大学の図書館職員採用試験に関する情報を記した基本文献(図書、雑誌、統計資料、等)にどのようなものがあるかを整理・検討し、基本文献の全体像について考察した。その結果、(1)「人事院月報」、人事院の『年次報告書』・『公務員白書』、年史、「官報」から得られる情報は限定的であること、(2) 人事院の採用試験に関する逐次刊行物が出版されており、国立大学図書館職員の採用・選考に関する基本情報だけでなく、国内外の任用・試験制度、採用試験の実施や試験方法等の詳細情報が得られること、が明らかになった。 平成30年度の研究成果の一部は、「国立大学の図書館職員採用試験:人事院による国家公務員採用試験時代の基本文献」という題目で、西日本図書館学会で学会発表を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、第2次世界大戦以降の日本の国家公務員制度、および、国立大学の図書館職員制度の発展を踏まえながら、図書館職員の採用試験制度について、文献調査(人事院関連の灰色文献の網羅的収集)を行い、収集文献の分析・考察を踏まえて、学会発表を行なった。 昭和23(1948)年の人事院設立から71年が経過し、近年、日本の古書市場に、人事院が所有していた採用試験関連の灰色文献が出品されるようになってきた。従来、人事院の採用試験関連情報を入手する唯一の手段は、『人事院月報』(昭和25(1950)年創刊の月刊誌)であると考えられてきた。しかし、人事院関連の灰色文献を網羅的に収集・分析することによって、昭和39(1964)年以降の国立大学図書館職員の採用試験制度の概要を詳細に辿ることが可能になってきた。 平成30年度の文献探索を通じて、人事院関連の灰色文献(図書、雑誌、統計資料、等)を古書市場から幅広く収集した。研究計画で想定した通り、今後の研究で利活用できる研究資料を整備できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、国立大学の図書館職員の採用試験問題の調査、および、国立大学の図書館職員の面接試験の調査を実施する。
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Causes of Carryover |
研究計画では、平成30年度にパソコンを購入する予定であったが、パソコンの購入を1年延期した。
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