2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on Anonymizing Technology and Whistleblowing Platforms
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18K11993
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Research Institution | Surugadai University |
Principal Investigator |
八田 真行 駿河台大学, 経済経営学部, 准教授 (70608893)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 匿名化通信技術 / プライバシー / ダークウェブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、TorやI2Pに代表されるいわゆる「匿名化技術」と、特にそれらを用いた内部通報プラットフォームに関して、その実態や、法的・社会的な位置づけを明らかにすることを目的としている。法的保護という文脈で語られることが多かった内部通報に関し、匿名化技術などを用いた技術的保護という文脈を重視して研究を行うものであり、両者が交錯する点に立脚するという点で独自性があると考えられる。 研究実施計画では、①匿名化技術を用いた内部通報プラットフォームの実態調査、②匿名化技術の合法性に関する検討、③匿名化技術や暗号技術の応用に関する正しい規制のあり方の検討を当面の目標としている。 本年度、①に含まれる研究としては、引き続き世界に散在するリークサイトの実態調査とそれに基づく論文化、および一般向けの情報集積サイト(Leak Directory)の準備を進めている。加えて実際の報道機関と協働し、日本でWikileaksのような匿名内部通報支援プラットフォームを立ち上げるべく可能性を探っている。 ②に関連するものとしては、匿名化通信技術に関する調査研究を進め、特にセキュア・メッセージングに関する最近の研究動向を追っている。それに基づき、自ら分散型匿名電子メールシステムI2P-Boteの改良を進めた。また、この分野の現状について海外学会で発表した。 ③に関連するものとしては、エンド・ツー・エンド暗号化の規制の動きや社会への影響、およびサイバー主権とスプリンターネットの問題に関して国内シンポジウムで講演した。また、この種の技術開発の背景にあるハッカー文化とその変遷に関する論文を公刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ禍の影響で海外への渡航は不可能となったが、学会等はオンラインで開催されることも多く、予算の消化以外にとりたてて進捗の問題はないと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画に基づき粛々と論文化を進めるとともに、今年度はいくつかの報道機関と協議しながら、匿名内部通報プラットフォームを実用に供し、そこから得られる知見を活かして研究を進めたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナ禍の影響で海外学会等に渡航することができず、旅費の支出ができなかったため。
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