2022 Fiscal Year Research-status Report
海外図書館の大規模所蔵調査に基づく日本文化としてのマンガ受容に関する総合的研究
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18K11996
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
大谷 康晴 青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 教授 (60341880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安形 輝 亜細亜大学, 国際関係学部, 教授 (80306505)
江藤 正己 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 准教授 (10584807)
杉江 典子 東洋大学, 文学部, 准教授 (50383295)
安形 麻理 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (70433729)
橋詰 秋子 実践女子大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (30877080)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 図書館 / マンガ / 国際的受容 / 翻訳 / 書誌 / wikipedia |
Outline of Annual Research Achievements |
図書館の所蔵を通じて海外におけるマンガの国際的受容を測るためには、日本マンガの翻訳版のリストの作成が必要である。しかし、既存の書誌は存在しないため、近年はその翻訳版書誌の作成を試みている。これまで国際的な著者典拠ファイルを通じて作者の点から探索したり、読書系のソーシャルメディアから翻訳版を識別することを試みてきたが、2022年度では、wikipediaの記述から翻訳版マンガのISBNを取り出す作業を通じて、日本マンガの翻訳版を識別することを試みた、これまでの国際的な著者典拠ファイルや読書系SNSは欧米に偏っているところがあったが、wikipediaでは中国語繁体字版における日本マンガの翻訳版を特に確認することができた。アジア圏の広がりについて書誌的に確認状況が多いため、重要な発見であった。とはいえ、ロシア語のように日本マンガ作品に関する記述項目は用意されるものの、一定する存在すると推定されるロシア語版についての書誌的な記述がほとんどないといった問題も確認できた。 次年度は以前の作業を通じて見つけられたリストをある程度統合して、日本マンガの翻訳版のリストとして活用していきたい。 また、2023年3月には、この研究の成果を広く社会に普及させるイベントを開催した。マンガに関する著名な研究者や日本のマンガ等のメディア芸術を対象としたメディア芸術データベースの構築者も交えて、この研究の概要と難しさ、そして、社会的意義について情報交換することで、多くの参加者にこのような学問研究が成り立つことと、その意義について理解を賜ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本マンガの翻訳版に関する書誌がないこと、コロナにより海外での調査に赴くことが困難になっていることが端的な理由となっている。前者については、さまざまな手段で作成することを試みているが、これ自体が一つの研究テーマとなるくらいの広がりや難しさを持っている。ただし、ある程度ではあるが、OCLCのような世界を対象とした総合目録でも探し出せないような作品も含めた日本マンガの翻訳書誌を用意出来つつある。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果によって得られた日本マンガの翻訳版についてある程度一つのリストとなるように統合を図っていき、それを元にある程度の調査を行うことで、海外における日本マンガの受容について調べていきたい。また、社会全体で研究やその成果を共有できる活動も進めていきたい。
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Causes of Carryover |
日本マンガの翻訳書誌をベースとして、日本マンガの国際的受容を測定することを当初研究課題としていたものの、翻訳書誌が存在しないため、自力で用意することになった。現時点である程度のものが用意されたので、翻訳書誌を使用した図書館の所蔵調査を行うことを可能人するため、次年度使用額を生じることとなった。
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