2020 Fiscal Year Annual Research Report
The impact of Kukki on Japan-Korea relations
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18K11998
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
李 洪千 東京都市大学, メディア情報学部, 教授 (80621200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 恒夫 東海大学, 文化社会学部, 教授 (60256162)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 空気 / 国民情緒 / 日韓関係 / 嫌韓 / 世論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日韓関係における空気の影響について分析しようとした試みである。本研究は、韓国において日本の空気の概念にあたる現象の検討とマカニズムを研究しようとした。本研究によって次のような結果が得られた。(1)韓国においても日本の空気のような、社会的圧力をもつ現象が存在していることが確認できた。韓国ではそれを「国民情緒」と言われており、政治家の言動や政府の政策にも影響を与えている。特に、日韓関係において国民情緒の影響は強く、政府の判断を著しく制限している。(2)日本では嫌韓本の発行が続いており、一つのジャンルとして定着している。嫌韓言説は批判はされているものの、議論の場におけるバランスは取られないままであり、メディアとくに情報番組を通じて拡散されることが構造化している。 2つの動きは、懸案になっている慰安婦や徴用工というテーマと結びついており、両国で関連する動きがあるたびに、空気・国民情緒を顕著化させていくことを検討した。本研究は、韓国における空気と類似な現象の発見にフォーカスをあて、諸概念を検討した。日本では、嫌韓本の分析を行い、嫌韓本の収集と書誌情報に対する分析とタイトルに関するテキストマイニングを行った。 本研究は、そのような内容を確認するために両国における意識調査を計画していたが、コロナ禍の対応で研究の実行が難しくなり、空気・国民情緒が形成されるメカニズムを特定するまでは至らなかった。
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