2018 Fiscal Year Research-status Report
舞楽曼荼羅供における舞楽のデジタル再現とその応用―丹生都比売神社を事例として―
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18K12002
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
古川 耕平 立命館大学, 映像学部, 准教授 (90425025)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 3DCG再現 / アニメーション / 有形文化財 / 無形文化財 / オーラルヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、丹生都比売神社における舞楽曼荼羅供のデジタル再現を目指し、2018年度中に、その基礎的な部分となるコンテンツの作成を目指している。具体的には、舞楽曼荼羅供の舞台となった神社境内全体の3DCGによる再構築、舞楽舞台のデジタル再現、舞楽のモーションキャプチャ計測、舞楽演者のキャラクタモデル制作である。 このうち、神社境内の再構築については、以前に作成した地形や建造物、植栽などを含む全モデルデータをブラッシュアップしつつ、VR用にデータ量を調整した。舞楽舞台については、現在丹生都比売神社には存在していないため、神奈川雅楽部の協力の下、現存しているものを参考としつつ、仮想的に再現をおこなった。舞楽のモーションキャプチャは、神奈川工科大学・小島一成准教授に協力を仰ぎ、実際の演者に協力を仰ぎ、舞楽の代表的な演目である「萬歳楽」「馬抜」のデータを計測した。この際、演者自身に聞き取り調査を行い、自身の舞楽に対する考えや想いを記録している。またキャラクタモデルの作成にあたっては、舞楽衣装の形状計測、テクスチャ用写真撮影をおこなった。 これらのデータを基に、舞楽の演目の一部をCGアニメーションで再現したコンテンツの制作をおこなった。この成果は8月にイタリア・ミラノ市で開催された国際図学会(ICGG2018)の学会誌に採択され、同学会で報告されている。 また2019年度に向けた事前準備として、舞楽曼荼羅供を代表するもう一つの要素である「庭讃」の撮影調査を神奈川県・観護寺にておこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は、おおむね当初の計画に進行しているといえるが、一部3DモデルをVRコンテンツに応用するため、制作手法を含めて見直しをおこなう必要があることが判明した。また、キャラクタアニメーションにおけるモーションキャプチャデータの制作工程が、スムーズに行えていないため、併せて今年度の課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度末に研究代表者が重度の網膜剥離を発症したために、現在療養中である。大幅に視力が低下しており、現状ではCG制作を含めた目に大きな負担のある作業は困難な状況であるが、2019年9月に再手術が予定されており、ある程度の視力回復が見込まれる。 上記の理由により、研究計画の大幅な変更および遅延を余儀なくされている。2019年度は病状の回復を図りながら、研究協力者と可能な限り計画を遂行していく努力をしつつも、前年度の課題整理および、2020年度に予定していた聞き取り調査等を前倒して、作業を進めていくこととしたい。
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Research Products
(3 results)