2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of Web-based Visual Player for Exhibition of Historical Material Images
Project/Area Number |
18K12006
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
鈴木 卓治 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (70270402)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歴史資料画像 / IIIF / 博物館展示 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題で目指すのは,「PowerPoint スライド」並のプレゼンテーションを,個別にプログラムを作るより少ない手間で作成できるオーサリングシステムの実現である. 初年度(平成30年度)に,開発に必要な設備類(PC,NAS等)を準備し,初期システムの開発と既存超高精細画像データのフォーマット変換を実施する.初期システムでは,既存システムにより実現されている範囲,すなわち,1.超高精細画像を画面の任意の位置に任意の大きさで表示する,2.複数の画像を画面に並べて配置する,3.画像の説明文を画面に画像と同時に並べて配置する,の3つの機能を実装を目指した.初年度の目的はほぼ達成することができ,その成果を,海外で開催された企画展示,ならびに所属組織の常設総合展示に出展し,来館者の利用に供することができた. 第2年度(平成31年度)にシステムの検証と改良ならびに実用化にむけての超高精細画像データの作成を実施する.また,第3年度(平成32年度)にシステムの評価と成果発表を実施する.国際研究集会での成果発表を目指す. 所属機関で管理職に指定され,研究の計画的な継続が課題である.小さい目標を立てて確実にこなすことを積み重ねて,順調な研究の進展に努めたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は初期システムの開発を実施した.計画した機能の実装は予定通り実施することができた.成果物である初期システムは,2018年にウェールズ国立博物館において開催された企画展示「KIZUNA: Japan|Wales|Design」(国立歴史民俗博物館が展示協力を行った)において,江戸図屏風の超高精細画像を日本語,英語,ウェールズ語の解説を交えて閲覧することができるシステムとして利用され,好評を博した.また,2019年3月にリニューアルオープンした国立歴史民俗博物館総合展示第1室(先史・古代)において,初期システムを正倉院文書歴博複製資料の超高精細画像ビューワに改造し,長い絵巻状の文書の両面にびっしりと書かれた文字を比較しながら閲覧できるよう,2つの超高精細画像を左右に並べ,互いに連動して,同じ場所の表面と裏面が常に同時に見えるようにしたもの(この機能は研究目的の閲覧にも有用である)を広く来館者に公開した.
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Strategy for Future Research Activity |
第2年度(平成31年度)にシステムの検証と改良ならびに実用化にむけての超高精細画像データの作成を実施する.ここでは動的な要素を取り入れた表現,たとえば,1.画像をフェードイン,フェードアウトさせる(何秒で)機能,2.画像を画面上で動かす(どこからどこまで何秒で)機能,3.画像の拡大率を変化させる(どこからどこまで何秒で)機能,4.バルーンによる解説文表示(どの部分にどのタイミングで何秒間で)機能,5.図形や矢印等の説明を補助する図形の表示(どこにどの大きさ,形で,何秒間)機能,6.ボタン等による簡単な条件分岐表示(表示する画像を選択するなど)機能,の実装をめざす. 第3年度(平成32年度)にシステムの評価と成果発表を実施する.国際研究集会での成果発表を目指す. 今後の課題としては,所属組織内で管理職に指定されたため,研究実施者が1名である本研究をいかに継続していくか,努力を求められる点が挙げられる.これについては,短期間の計画をこまめに立てて達成を目指したいと考えている.
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Causes of Carryover |
先方都合で,購入予定の物品が年度内に購入できなかったため,改めて次年度に発注することとした.
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Remarks |
(1)2018年にウェールズ国立博物館において開催された企画展示「KIZUNA: Japan|Wales|Design」において,開発したシステムを江戸図屏風の超高精細画像ビューワとして利用した. (2)2019年3月にリニューアルオープンした国立歴史民俗博物館総合展示第1室(先史・古代)において,開発したシステムを正倉院文書歴博複製資料の超高精細画像ビューワとして一部改造の上利用した.
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