2019 Fiscal Year Research-status Report
仮想テクスチャを表すオノマトペの分析による日常言語の創造性の研究
Project/Area Number |
18K12009
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
宇野 良子 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40396833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大海 悠太 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (60571057)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オノマトペ / 新造語 / 仮想テクスチャ / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、未経験の質感をもつ仮想テクスチャを言語で表現する実験を通じ、新しい言葉が創り出されるしくみについての理論を認知言語学の観点から構築することを目指す。言葉の中でも、オノマトペ(擬音語・擬態語)に着目し、慣習的なオノマトペに対し、発話の場で新しく創られるオノマトペである「臨時オノマトペ」の実態について、計量的手法を取り入れることによって明らかにすることである。特にコミュニケーションの有無が、臨時オノマトペ生成にどのような影響を与えるのかに注目する。 2年目は初年度に行った実験で集めたデータを分析し、臨時オノマトペを多くつくる傾向のある実験参加者とそれ以外の実験参加者の間に臨時オノマトペの生成とは別の面で言語コミュニケーション上の特徴の違いがあることを明らかにした。更に新造語の研究の観点から、臨時オノマトペが持つ言葉の創造性についての理論を構築を初年度に続いてすすめた。これらに基づいて、学会発表や論文執筆を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症防止のために、予定されていた海外の共同研究者とのミーティングを行うことができなかったが、これは最終年度に取り返すことのできる範囲内であると考えている。それ以外の点では、予定してきた通り、2年目は初年度のに行った実験のデータを分析し、その結果を発表することに時間を費やした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、2年目に明らかにした、臨時オノマトペ生成に関わる言語コミュニケーションの参加者の役割分担について、更にコミュニケーション研究の知見を参考に分析をすすめる。これら実験の結果に基づき、新造語の研究の観点から、臨時オノマトペが持つ言葉の創造性についての理論を構築する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染防止の観点から海外の共同研究者との打ち合わせを見送ったため次年度使用額が生じた。これを海外共同研究者と研究成果をまとめる際の論文執筆に関わる費用(分析に関わる費用、英文校正費、出版費など)に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)