2019 Fiscal Year Research-status Report
批判情報の呈示効果と意思決定支援－視線計測に基づく実験的研究
| Project/Area Number |
18K12010
|
|---|
| Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
|---|
Principal Investigator |
田中 優子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30701495)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬塚 美輪 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50572880)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
| Keywords | 批判 / デマ / 視線 / アイトラッカー / ソーシャルメディア / 批判的思考 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は，視線計測に基づき、批判情報の呈示が意思決定に及ぼす効果における個人差および個人内変化の認知的メカニズムを明らかにすることである。デマに関する先行研究では，批判情報の提示はデマに対する信念を緩和させる効果が示されてきた。しかし，その効果は限定的で，批判情報提示後も依然としてデマへのポジティブな信念を維持する反応も一定数みられた。これは，(a)批判情報を呈示していても被験者の一部がそれを見ていないために効果が限定されていた可能性と，(b)批判情報を見ていても効果が限定されるという可能性が考えられる。どちらの可能性が支持されるかによって，批判情報の提示効果の理解およびデマ拡散問題に対する適切な介入方法は異なってくる。
二年目である2019年度は，初年度に実施したをアイトラッカー（Tobii Proナノ）を用いた実験の結果を国際学会（The 41th Annual Meeting of the Cognitive Science Society）で発表した。また，上記(b）に関して，２種類（主観的・客観的）の批判が２種類のターゲット情報（事実・デマ）に対する信念に及ぼす実験結果を分析した。分析結果は，国際雑誌（Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking)に採択され，2019年11月に掲載された。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画どおり実験結果を国際学会でのフルペーパーで発表，また，国際雑誌に投稿および採択につなげることができたため。
|
| Strategy for Future Research Activity |
現段階では，本研究計画における大きな計画変更はない。しかし，新型コロナウイルスの影響で，アイトラッカーを用いた実験室での実験実施が困難になることが予想される。被験者の安全に配慮し，ガイドラインに注意を払いながら，実験室での実験が可能になり次第開始できるよう準備を進めていく。
|
| Causes of Carryover |
前年度未使用額があったため，国際学会発表旅費が予定より支出額が大きかったことを相殺しても，次年度使用額がゼロより大きくなった。
|
