2020 Fiscal Year Research-status Report
批判情報の呈示効果と意思決定支援-視線計測に基づく実験的研究
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18K12010
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 優子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30701495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬塚 美輪 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50572880)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 批判 / デマ / 視線 / ソーシャルメディア / 批判的思考 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,視線計測に基づき、批判情報の呈示が意思決定に及ぼす効果における個人差および個人内変化の認知的メカニズムを明らかにすることである。 デマに関する先行研究では,批判情報の提示はデマに対する信念を緩和させる効果が示されてきた。しかし,その効果は限定的で,批判情報提示後も依然として デマへのポジティブな信念を維持する反応も一定数みられた。これは,(a)批判情報を呈示していても被験者の一部がそれを見ていないために効果が限定されて いた可能性と,(b)批判情報を見ていても効果が限定されるという可能性が考えられる。どちらの可能性が支持されるかによって,批判情報の提示効果の理解お よびデマ拡散問題に対する適切な介入方法は異なってくる。 3年目である2020年度は,1)デマ拡散行動の背後にある心理的要因とソーシャルメディア等の情報通信技術の関係についてこれまでの研究を整理した。また,2)デマ拡散の抑制となりうる個人差変数として批判的思考の概念整理を行った。研究結果は,それぞれ洋書および和書の一章として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の予防を優先し,実験室実験の実施を控えたため視線計測をともなう新たな実験が計画通りに実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初3年計画で進めていた本研究課題を1年延長し4年計画に変更する。4年目開始時点でも新型コロナウイルス感染症の影響が継続しているため,視線計測を伴う実験室実験の実施は困難であることが予想される。そこで,4年目はすでに測定した視線データを,新たな分析ソフト(Tobiiスクリーンエディション)を導入し,より詳細な分析を行う計画に変更する。
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Causes of Carryover |
前年度未使用額があったこと,また,新型コロナウイルス感染症の影響で実験室実験に関わる支出が変更されたことが理由である。4年度目の研究計画変更にそって新たな分析ソフトの導入の一部,および研究成果発表に関連する支出にあてる。
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