2021 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation on the effects of individual differences in imagery generation ability on mental image transformation and its neural basis
Project/Area Number |
18K12014
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
笹岡 貴史 広島大学, 脳・こころ・感性科学研究センター, 准教授 (60367456)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心的イメージ / 個人差 / VVIQ / VISQ / 安静時脳活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
心的イメージ能力の個人差について安静時脳活動解析を実施した. 72名(うち女性32名、年齢22.5±2.8歳)の参加者の5分間の開眼安静時fMRIデータを用いて、各参加者の物体イメージ生成傾向(VISQ Object)、空間イメージ生成傾向(VISQ Spatial)、および視覚イメージの鮮明さ(VVIQ)に関する質問紙の得点と相関する機能的結合を調べた。解析では併せて性別、年齢、BMIを共変量に含めることでこれらの影響を除去した。 物体イメージ生成傾向については海馬と前部状回および後部帯状回との間の機能的結合に正の相関が見られた。これらはデフォルトモードネットワーク(DMN)に含まれる領域であり、DMN内の機能的結合の強さが物体イメージ生成傾向と関連していることが示唆された。 空間イメージ生成傾向が高い参加者では、左上側頭溝と前頭極および内側前頭前野、両側側頭極の間の機能的結合が強く見られた。上側頭溝や内側前頭前野、側頭極は心の理論課題への関与が知られていることから視点取得に関わる脳内ネットワークの機能的結合の強さと空間イメージ生成傾向が関連することを示唆している。 一方、VVIQについては、視覚イメージが鮮明な参加者ほど右下側頭葉と前頭極および前部帯状回、左楔前部と左海馬傍回、海馬の機能的結合が強いことがわかった。この結果は、情報統合に重要な役割を持つ前頭極および内側前頭前野に対して、物体の情報をコードしている下側頭葉からの機能的結合が強いこと、さらに記憶の想起に関わる楔前部と連想記憶に関わる海馬や海馬傍回の機能的結合が強いことが視覚イメージの鮮明さと関連していることを示唆している。
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