2020 Fiscal Year Research-status Report
多感覚の表象に基づく言語の理解と表出に関わる脳機能モデルの構築
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18K12019
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
柴田 寛 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 准教授 (00614900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 健二 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (50586021)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 言語刺激 / 聴覚刺激 / 言語表象 / 聴覚表象 / fMRI / 補足運動野 / 中心前回 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではこれまで、言語刺激、視覚刺激、聴覚刺激など多様な刺激から、言語表象、視覚表象、聴覚表象など多様な内的表象を生成する脳内処理過程を解明するための実験を実施してきている。 2020年度はCOVID-19の感染拡大によりfMRI実験を断念した。研究代表者と研究分担者がオンラインでミーティングを実施するなどして、これまでの研究結果の分析・考察および今後の実験計画について議論を進めた。2019年度に実施した実験結果をまとめて日本心理学会第84回大会で成果を発表した。この実験では外的に提示する刺激と内的に生成する表象をどちらも聴覚モダリティにそろえた。外的に提示される刺激から内的には異なる表象を生成することを求められる変換あり条件(単語と鳴き声の変換)では、外的刺激と同一内容の表象を生成する変換なし条件に比べて、左中心前回と補足運動野を含む領域での有意な活動上昇がみられた。左中心前回は発話運動プログラム、補足運動野は発話の開始に関与すると考えられている。ある音を聴いたときに同じ音ではなく異なる音を生成しなければならないときにこれらの領域が関与することが示された。 一方で我々が実施したこれまでの研究からは、同様の実験計画であっても外的刺激と内的表象として視覚モダリティを用いたときには異なる実験結果が得られている。また動作場面を対象とした実験では、外的な刺激にかかわらず内的に生成する表象の違いに応じた脳活動領域を特定している。設定する刺激と表象のモダリティなどに応じて様々な結果が得られており、これらの結果をうまく説明する脳機能モデルの構築を進めている。2020年度に実施できなかったfMRI実験は2021年度の実施を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度に予定したfMRI実験はCOVID-19の感染拡大により断念した。それにともない脳機能モデルの構築も遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に実施できなかったfMRI実験はCOVID-19の感染拡大防止に対処した環境を整えた上で、2021年度の実施を計画している。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大により2020年度に実施できなかったfMRI実験を2021年度に実施する。MRI使用料、実験参加者謝金、実験補助謝金、旅費に使用する。
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Research Products
(1 results)